
現代社会に蔓延し「皆やってるからやって当然」「やらなかったら罪・会社に対する反抗」のような位置づけをされ、労働者に無賃金労働を強制する「サービス残業」という名の違法行為。
「ブラック企業」や「ブラック企業大賞」などという言葉がこの世に生まれ、過労労働者の自殺、過労死が続発し、「働き方そのものを変えて行こう!」と叫ばれて久しいですが、企業の大小を問わず、未だに当たり前のこととしてまかり通っている、この害悪行為。
「仕事は時間でするものじゃない!然るべき成果を上げて初めて仕事をしたと言えるんだ」
「まだ皆一生懸命に仕事をしているのに、お前だけ帰るのか?」
などと、企業側は労働者を決められた時間以外の労働をせざるを得ない状況に無理やり追い込み、時間外勤務をさせ、本来支払われないといけない賃金は一切支払わない。
さて、あなたの会社には、そんなサービス残業が横行していませんか?
そして、あなたは気付いていますか?
サービス残業は、会社があなたに強いている奴隷的行為であると。
あなたは知っていますか?
サービス残業をしても失う物・得られない物の方が圧倒的に多く、あなたが直接得られる利益は何一つないことを。
この記事はこんなお話
サービス残業をしても得られる利益は何一つないことを、強烈に自覚せよ!
まず大前提として知っておかなければならない事は、あなたがいくらサービス残業をしても、あなたが直接得られる利益は何一つありません。
サービス残業をして頑張ることにより、会社があなたに対して感謝しているとでもお思いですか?
サービス残業を容認している会社は、サービス残業をしてくれている社員に対して感謝なんかしていません。
だって、そんな会社にとって社員と言うものは単なる「奴隷」であり、建前上はニコニコ感謝の情を示してくるかもしれませんが、本音としては働かせるだけ働かせて、潰れたら切り捨てよう、くらいにしか感じていないんですから。
この記事を読んでいただいているあなたに伝えたいことは、
サービス残業はタバコよりも害悪性の強い、まさに猛毒!
労働者に対し四方八方から襲い掛かり蝕み尽くす、猛毒的行為だということです!
言い換えれば、会社はあなたに対して「サービス残業」という名の猛毒を、日々飲むように強要しているんです!
サービス残業と言う名の猛毒によってあなたの命が尽きる前に、早く気付いて下さい!
サービス残業をしても得られる利益は何一つなく、むしろあなたの人生が急激に蝕まれていく行為であるということを!
不利益その➊:大切なプライベート時間が削られる
サービス残業とは、自分の大切な時間を仕事に充てる行為です。
賃金の支払いの如何を問わなければ、普通の時間外労働もこの要件に合致します。
人間は、使用者側である社長をはじめとする会社役員はもちろん、社員・契約社員・パート・アルバイトなど、その立場にかかわらず、人間である以上一日の持ち時間は24時間と決められています。
人間は誰しも、その24時間の中で仕事をし、家で休み、家族と過ごし、食事をして睡眠を取るなど、生命活動を行っているんです。
生きるために仕事をして賃金を得て、それを元に生活を成り立たせるというのが現代社会の本来の在り方です。
「生きていくための労働」のはずが、サービス残業をはじめとする過剰な労働によって「睡眠時間すら削って働け」「休みなんて取らずに働け」と、本来の労働の意味が歪んでしまっていることに、あなたは疑問を感じませんか?
サービス残業が無ければ、あなたはその時間を有意義に使うことができるのです。
プライベートを充実させることができるんです。
会社によってあなたの人生の大切な時間が過剰に搾取されていることに腹立たしくなりませんか??
例を挙げてみましょう。
ひと月22日出勤だと仮定して、一日60分のサービス残業が発生しているとすると、ひと月で実に1320分もの自由時間が失われていることになるんです。
一日90分のサービス残業であればひと月で1980分、一日120分のサービス残業であれば2640分。
どうですか、ものすごく腹立たしくなりませんか?
わたしが以前勤務していた職場でも「これがウチのやり方だ」と、日々の拘束時間が14、15時間にも及び、休日出勤なんて当たり前という現状がありました。
もちろん残業代なんて出ません。いや、厳密には労基法上残業代を支払っているように見せかけてはいたのですが。
でも、ちょっとでも馴染んで情が沸いてしまうと、そんなゴミ会社ですら見限るのに抵抗が出てきてしまったりするものなんです。
そんな職場を最終的に見限った経験があるわたしだからあなたに伝えられることがあります。
サービス残業は、本来あなたが楽しむべきプライベート時間、つまりあなたの大事な人生を大幅に削り取る行為であり、そんなことを平気でやらせる会社は、さっさと見限って転職すべきです!!
不利益その❷:残業代が支払われない
こんなこと言うまでもありませんが、サービス残業をしても残業代など一切支払われることはありません。
そんなことサルでも分かりますよね。
本来、残業つまり時間外労働については、通常賃金の2割5分増しの割増賃金を支払わなければならない、と労働基準法で決められています。
通常1,000円/1時間で働く人の場合は、1,250円/1時間となります。
通常1,500円/1時間で働く人の場合は、1,875円/1時間となります。
例を挙げてみましょう。
ひと月22日稼働、通常賃金一時間1,000円で働く労働者(割増賃金1,250円)と、通常賃金一時間1,500円で働く労働者(割増賃金1,875円)の例です。
一時間当たりの割増賃金 | ひと月の時間外労働時間 | 支払われるべき時間外手当 | サービス残業だと・・・ |
1,250円 | 22時間(1日1時間残業) | 27,500円 | はい、0円! |
1,250円 | 33時間(1日1.5時間残業) | 41,250円 | もちろん0円! |
1,250円 | 44時間(1日2時間残業) | 55,000円 | 誰が何といおうと0円! |
1,875円 | 22時間(1日1時間残業) | 41,250円 | ブラック企業だから0円! |
1,875円 | 33時間(1日1.5時間残業) | 61,875円 | 労働者は奴隷だから0円! |
1,875円 | 44時間(1日2時間残業) | 82,500円 | この分、丸っと当社の利益だ! |
許せますか?こんなバカげたこと。
不利益その❸:心身の健康が損なわれる
サービス残業を行うことにより、会社からの拘束時間が増大します。
よほど会社が好きという人でない限り、職場に居続けるということは気が休まらず、かなりのストレスが溜まります。
「いつ家に帰れるんだろう」「次の休みは休めるんだろうか」などという不安が常に付きまとうようになり、徐々に心身に不調をきたし始めます。
まぶたの痙攣にはじまり、原因不明の腹痛、朝起きると気持ち悪くないのに「オエっ」ってくる空えずき、だるさ、これらの症状が更に進行すれば幻聴が聞こえ、病院に行けど原因はわからずじまい。
最終的にこのような症状は「自律神経失調症」と診断されることになります。
知ってますか?
自律神経失調症って、うつ病のはじまりですよ?
サービス残業であなたが病気になっても、会社はあなたに何もしてくれませんよ?
会社の言い分は「え?キミ病気になったの?そんなの知らないよ~」「それより早く出てきて仕事してよ!サービス残業も、これまでどおりよろしくね!」です!!
不利益その❹:家庭不和に陥る危険性がある
サービス残業により、あなたの大切なプライベート時間が大幅に削り取られたことにより、あなたはおのずと家庭に使える時間が減ります。
さらに、サービス残業が原因なので、もちろん得られるべき賃金も入ってきませんから毎月給与明細を見るたびに奥さん(旦那さん)は大激怒です。
配偶者「ちょっとアンタ、そんなに残業して帰ってきてるのに、なんで残業代が出てないの!?」
あなた「ウチ、ブラックだから・・・」
配偶者「だったらそんな会社とっとと辞めればいいじゃない!」
あなた「この歳でどこが雇ってくれるよ?」
配偶者「だったらサービス残業なんてしなければいいじゃん!」
なんていうやりとりや・・・
配偶者「もっと家事を手伝ってよ!」
あなた「仕事が忙しくてそれどころじゃないよ」
配偶者「忙しいって言ったって、それサービス残業でしょ!?」
あなた「・・・」
などというやり取りをしている様子が目に浮かびます。
「家庭を顧みない人は、最終的に家庭に潰される」とは某テレビ番組で政治家の鈴木宗男氏が言った言葉です。
サービス残業と言うのは、本来家庭を顧みたい人をも、無理やり会社に拘束し家庭との関わりを絶たせる行為であり、最終的に家庭不和に陥ってしまう危険性があるのです。
サービス残業をさせている会社は、問答無用でブラック企業であることを理解せよ!
労働者にとって、業務内容、賃金、拘束時間というのは、その会社で仕事をする上で最も重要な基盤であり、基礎です。
だからこそ、声を大にして言いたいことがあります。
サービス残業をさせているという事だけで、その会社はブラック企業決定だということです!
本来時間内に終わらない業務まで負担させ(本来の業務内容から逸脱した過剰労働)
本来支払われるべき時間外手当を一切払わず(賃金の未払い)
本来拘束されないはずの時間まで業務に従事させる(契約外の過剰労働による時間の搾取)行為=サービス残業
どうですか?
サービス残業が、労働の根幹に当たる「業務内容」「賃金」「拘束時間」の全てを侵食するということがわかっていただけたはず。
だから、サービス残業をさせているだけでブラック企業決定なんです。
それと勘違いしてほしくないのは、業務内容の見直しもせず、「早く帰れ」と帰宅を促して自宅で仕事をさせるよう仕向ける「持ち帰り業務」も立派なサービス残業です。
完全に業務から離脱した状態で無いと、「拘束時間が終わった」とは言えません。
最近では、このような社内での残業から「持ち帰り業務」にシフトさせている傾向にあるといいます。
おわりに
サービス残業により、あなたが得をすることは何一つないということをわかっていただけたはずです。
そして知っておいてもらいたいことは、サービス残業をしているあなたはもちろん、させている使用者側もあなたと同じ人間だと言う事。
社会的立場は違いますが、相手もあなたと同じ人間です。
同じ人間なんだから、「サービス残業など絶対にしません!」と言ってやりましょうよ!
もう一度言いますが、使用者側だって、あなたと同じ人間なんですよ?
同じ人間なのに、片方が片方の大事な人生の時間を搾取し、本来支払うべき賃金すら支払わないなどということは、絶対にあってはなりません!
今こそ日本中の労働者の皆さん!
声を大にして叫びましょう!!
「サービス残業は、わたしにとって害しかないので絶対にしない!」と!