
今回は、元警察官が徹底的に教えるオレオレ詐欺シリーズの番外編!
わたしは、当シリーズの一番最初の記事で、
- ➊ある日
- ❷突然
- ❸家電に電話がかかってきて
- ❹しばらくの雑談の後
- ❺困った話を持ち掛けられ
- ❻最終的にお金を要求されたら
それは例外なく「オレオレ詐欺」だということをお話しました。
そして、詐欺師が話す全ての話は嘘であり、単なる作り話であるということもお話しました。
詐欺師が作り上げる嘘の話は、次から次へと新しい騙し文句が登場してきてキリがないのですが、「王道」と言われる騙し文句のパターンが存在するのもまた事実。
わたし個人的には、ストーリーの内容で詐欺かどうかを判断することは非常に危険であり、個人的には全くおススメできないのですが、知らないよりも知っていた方がいいに越したことがないことも、これまた事実。
なので今回は、特別に番外編と称して、詐欺師が主になりすます人・ストーリーなどについて詳しく紹介していきます。
この記事はこんなお話
騙し文句:事前調査
今のご時世、低レベルな詐欺グループは別ですが、巷からお金を巻き上げ続けている高レベルな詐欺グループになると、手当たり次第にとりあえず電話しよう、なんていう手法はほぼ使いません。
お金がありそうな高齢者方をピンポイントで抽出して狙いを付けてきます。
犯人グループは、「住所、氏名、電話番号」などが記載された各中学・高校・大学の卒業名簿等を収集し、その他様々な情報網を駆使し、「名簿屋」と呼ばれる名簿業者から様々なジャンル別の名簿を購入したりして情報を集めます。
そして、「この家お金がありそうだ」となれば、調査に乗り出します。
調査の方法は、泥棒じゃありませんから、現地下見などしません。
現地下見などしなくてもその人の住所さえわかってしまえば、Googleマップ等のアプリのストリートビューで外観だけは見ることができます。
犯人が知りたいのは、ターゲットの性格や、その家の家族構成やら、孫や息子の名前や、貯金の有無、残高の額などです。
そこで犯人は、ターゲットを騙しにかかるひと月とか数週間前に、ターゲットに接触を図ることがあります。
どうやって接触を図るかって??
もちろん、ターゲットの家の電話に架電するんですよ!
市役所職員・宅配業者・保険会社・NHKの世論調査・銀行員・銀行協会・その他、一般的に信用が高く、突然家に電話が来ても怪しまれづらい団体
などを騙ってね!
情報を集められるだけ集めたら、犯人はすぐ行動には移らず、しばらく放置します。
そして犯人グループは、ターゲットがそんな電話が来たことなどすっかり忘れたところで、ターゲットに詐欺行為を開始するのです。
騙し文句:主に誰を名乗る?
・・・まあ、王道ですよね。
とはいっても、事前調査を徹底している犯人グループは「オレだよ、オレ」は使いません。
この文言は主に、犯人がターゲットの息子や孫の名前を知らなくて、相手に「○○かい?」と名前を言わせたいときに使われます。
現在でも、低レベルな詐欺グループでは頻繁に用いられているのではないでしょうか?
こんな風に用いられますので、参考まで。
オレだよ、オレ!
寒くなったね~!今度、何か美味しいものでも送るから待っててね!
犯人グループ側がターゲットの息子や孫の情報を握っている時に使われる文言です。
犯人グループが男だった場合は、ターゲットの息子、孫、甥を騙ります。
犯人グループに女性が加わっていた場合は、さらに娘、孫娘、姪などを騙ることもあります。
この時点で「○○かい?」と名乗られても、8割くらいの人は「声が違う!これはオレオレ詐欺だ!」と気付きますが、ここで少しでも「あれ?○○かな?と疑問を抱いた人が次のステージへ行きます。
一般的に、こんな風に用いられます。
この間、友達に風邪うつされてさ、ちょっと声が聞き取りづらいかもしれないけどゴメンね!
近年、警察官を騙るオレオレ詐欺が多発している傾向にあるのは知っていますか?
詐欺師が警察官を騙るなんて言語道断ではありますが、実は最終的にターゲットからはかなり高い確率で信用されることになります。
まあそれでも、ターゲットからしたら、家に突然警察官から電話が来るなんて、誰だってドキドキしてちょっと不安になりますよね。
主に、こんな風に電話が来ます。
わたくし、○○県警察○○警察署の○○課(刑事課など)の○○と申します。
突然のお電話で驚かせてしまって申し訳ございません。
実は・・・
この他にも、まだまだありますが、主に「親族」や「警察官」を騙ったオレオレ詐欺が圧倒的に多い実状です。
おそらく今後も、さらに様々な立場の人間になりすます詐欺が発生するものと思われます。
どうか、慎重な判断を。
騙し文句:主にどんな緊急事態を装いお金を要求する?
ここからは、犯人グループがどんな緊急事態を装いお金を要求するのかお話していきます。
この緊急事態を装うまで、犯人グループと何度も何度もやり取りをしている高齢者ほど、この緊急事態を打開するべくお金を差し出してしまう傾向にあります。
これから示すのは、あくまでほんの一例です。一例過ぎて笑いが出るレベルです。
日々新手の騙しストーリーが登場していますが、ここでは昔と変わらず今現在も使われている一例をご紹介していきます。
今日、会社から発行された○○万円の小切手を持って電車に乗ってたんだけど、ちょっと寝てるうちに誰にかに盗まれちゃったみたいで・・・
からの、
実はパチンコにのめりこんじゃって、会社のお金にまで手を付けちゃったんだ・・・。
このままだと会社にバレてクビになっちゃうよ~!
クビどころか、警察に捕まっちゃうかもしれない!!
からの、
ゴメン、もうこんなバカなことしないから、ちょっとだけお金貸して!
俺を助けて!
相手の人を妊娠させちゃったんだよね・・・。こんなこと嫁には言えないし・・・。
からの、
そんなお金支払ったら、嫁に今回の件がバレて家庭が壊れちゃう!
ちょっとずつ返していくから、ゴメン、立て替えてもらうことできない!?
相手の人、体痛いって言ってるんだけど、警察に通報されると人身事故になって俺、免停になっちゃう。実は、もう免許の点数ギリギリなんだよね。
からの、
申し訳ないけど、貯金がそこまで無くてさ・・・
すぐ返すから立て替えてくれないかな?
からの、
騙し文句:お金を受け取りに来るのは誰?
現在のオレオレ詐欺は、ほぼ手交型による被害です。
現金を受け取りに来る役を「受け子」と言い、犯人グループに一時的に雇われた使い捨てのアルバイトです。
大体、こういう輩はスーツなど来たことが無いため、サラリーマンなどを装っても、妙に着慣れていない印象を受けることが多々あるといいます。
そんな輩が、お金を取りに来る時に名乗るのは、
「会社の部下」「会社の同僚」「会社の上司」「友人」「知人」「警察官」など、ストーリーに応じて様々です。
おわりに
ざざっとお話してきましたが、大事なことなのでもう一度言います。
この記事で書いてあるようなストーリーのみでオレオレ詐欺かどうかを判断するのは間違いです。
ストーリーだけなら、日々新手のストーリーが続々実戦配備されていますので、詐欺のストーリーを知ることに重点を置いてはなりません。
詐欺かどうかを判断するには、その話の根本がどういう流れになっているかどうかで判断する必要があるんです。
その根本の流れとは、先ほど一番上にも書きましたが、こちらです。
- ➊ある日
- ❷突然
- ❸家電に電話がかかってきて
- ❹しばらくの雑談の後
- ❺困った話を持ち掛けられ
- ❻最終的にお金を要求されたら
それは、オレオレ詐欺です!
ストーリーや登場人物を覚える必要はありませんが、一読しておいて間違いなかったかと思います。
参考にされたし。
以上でーす!