
今回、全国の皆さんに紹介するのは、山形県大石田町次年子地区にあるお蕎麦屋さん「そば切り源四郎」です!
山形県大石田町には、山形県民なら知らない人はいない、山形蕎麦の一大ブランド「次年子(じねんご又はじねご)のそば」があります。
大石田町内には、14のお蕎麦屋さんが加盟する「大石田そば街道」というお蕎麦の振興団体があり、「そば切り源四郎」も加盟店の一つ。
現在、大石田そば街道に加盟している大石田町次年子地区のお蕎麦屋さんは、このお店を含めて4店舗だけです。
わたしは、食べ物の「美味しさ」というのは「味」「食感」「香り」など、個人の感覚が複雑に絡み合うもので、各個人により千差万別だと思ってますので、なるべく「美味しい」とか「美味しくない」という表現は使わないようにしています。
ですが、このお店だけはそれを解禁します。
わたしがこのお店のお蕎麦と出会って早10年の常連客となりましたが、このお店のお蕎麦は本当に美味しい!
自信をもって全国の皆さんにおススメできる、名店中の名店です!
さっそく紹介していきますよ!
この記事はこんなお話
「そば切り源四郎」データ
お店の名前 | そば切り源四郎(そばきりげんしろう) |
お店の所在地 | 山形県北村山郡大石田町次年子149 |
連絡先 | 0237-35-6307 |
定休日 | 毎週木曜日 |
営業時間 | 11:00-16:00 |
駐車場 | 有(無料) |
お手洗い | 有 |
料理ジャンル | お蕎麦 |
アクセス | 山形空港から車で約35分(約29km)
山形駅から車(有料道路優先)で約60分(約51km) 新庄駅から車で約35分(約23km) |
こんな時に利用するのがベスト! | このお店の蕎麦を目的にわざわざ来る価値がある! |
「そば切り源四郎」を満喫しよう!
「そば切り源四郎」がある山形県大石田町次年子地区は、山形県内でも豪雪地帯に当たります。
そのため、玄関を普通の家のように1階部分に設けてしまうと、雪に埋もれて玄関が開かないという事態が発生するんです。
そのため、この辺の家の多くは、通常の家の2階に相当する部分に玄関を設けています。
ご覧の通り、「そば切り源四郎」は民家を使用したお蕎麦屋さん。
どうでしょう全国の皆さん。不思議に思いますか?
山形県には、このように単なる一戸建ての家を使用したお蕎麦屋さんやラーメン屋さんが数多く存在しています。
お店の中はこんな感じです!
早速お店の中に入ってみましょう!
まず駐車場ですが、お店の真横と、道路の反対側にあります。
玄関まで階段を上っていきます。
お店の外観(2つ上の画像)を見てもらうとわかりますが、この階段の他に、もう一つ階段があるのがわかりますか?
冬になり雪が積もると、この画像の階段は雪に埋もれてしまいます。
その時に使うのが隣の階段です。
豪雪地帯にすむ人々の知恵ですね。
さあ、玄関を開けてみましょう!
玄関を開けると、招き猫がお出迎えです!
どうやらこの招き猫の効果は絶大のようですね。
だってこのお店、わざわざ旅行ツアーなどで大型バスが来るほどなんです。
もちろん、お蕎麦を打つご主人の実力が物凄いんでしょうけど。
ご覧の通り、本当にただの民家です!
客席は座敷席のみです。
こちらも見てわかる通り本当にただの民家。
家自体は古いですが、よく清掃されており、とてもきれいに保たれています。
この画像の反対側にも席があるのですが、他のお客さんがいたので撮影していません。
お蕎麦を注文しましょう!
早速お蕎麦を注文しましょう。
ここのメニューは「板そば」「きじそば」「きじ汁」「かいもづ」の4種類のみ。(ドリンクを除きます)
全国の皆さん、「板そば」ってご存知ですか?
「ざるそば」とか「もりそば」じゃないですよ?
ここで山形内陸地方の蕎麦小話をひとつ。
昔からこのあたりでは、農作業時や集会などの際に、そばを一つ容器に2-3人前を盛り付けて、大勢で分け合って食べるという習慣がありました。
その際、人と人との縁がこぼれることの無いように、水がこぼれる「ざる」ではなく、「木箱」に盛り付けて提供していました。
これは、「早く板につきますように」「細く長くそばにいられますように」という願いを込め、一種の「縁起物」として振舞われていたんです。
これが今でいう「板そば」のはじまり。
板そばの他にも、「きじ肉」を使った「きじそば」や蕎麦のつけ汁の「きじ汁」、そば粉を熱湯で練り上げて茹でた「かいもづ(蕎麦がき)」を食べることができます。
ちなみに、「きじ」っていう鳥、知っていますか?
そう、こいつらです。桃太郎の仲間にもなりますね。
日本の国鳥にも指定されているんですよ?
繁殖期の春から夏にかけて、オスが「ケンケン!!」ってうるさいくらいに鳴きます。
畑の中を猛ダッシュで走り回ったりもしています。
青や緑や赤のカラフルなのがオス、茶色がメスです。
美味しいのはメスです。
この「きじ」の肉を使ったメニューがあるんです。
わたしがこのお店でおススメするのが、もちろん「板そば」(700円)です。
今回は、これに「きじ汁」(350円)も頼んでみました。
注文を取りに来てくれたのは、小綺麗なお姉さん。
ご主人のお嫁さんにしては年が離れすぎてる気がするので、娘さんでしょうか。
注文を済ませるとまず出てくるのがこちら!
山菜のおひたしや漬物が3種類も出て来ます。
これらは、主人が時期になると山に入って採ってくるというまさに山の幸!
大石田そば街道のお蕎麦屋さんでは当たり前の光景ですが、毎度毎度大変ありがたく感じておりますよ!
蕎麦が来るまでのツマミにもなりますし、お蕎麦を食べている間の箸休めにもなります。
これを食べながら、ぐで~っとしながらお蕎麦が来るのを待つんです。
いや~、こんな幸せな時間は無いでしょう!
お蕎麦を食べてみよう!
注文をして10分経たないうちにお蕎麦が出て来ます。
こちらが、そば切り源四郎特製の板そばです!
ね?本当に「板」に盛られて出てくるでしょう?
源四郎のお蕎麦は、山形の田舎蕎麦では一般的な二八蕎麦。
しっかりと角が立ち、断面はきれいに揃った正方形です。
もちろん、機械打ちじゃありません。手打ちです。
店内にも書いてありますが、このお蕎麦の食べ方として最適なのが、「まずは何もつけずにそのまま食べる」「次が塩をつけて食べる」という方法。
山形の田舎蕎麦は、玄そばをがりがりゴリゴリ引いて、丸ごとお蕎麦に仕上げていますので、風味が豊かなんです。
是非お試しあれ!
でもわたしは塩よりそばつゆ派。
ここのそばつゆは、鰹だしがしっかりと効いていて、程よい甘みにいい塩加減が特徴の、なんとも経験豊かな味。
そばつゆの味が濃くても、蕎麦が強いので負けないんです。
蕎麦とつゆ、どちらも強いんですが、喧嘩をすることはありません。
蕎麦は、さほど太くはありませんが、すすっては食べられません。
がっちり噛んで食べるタイプのそば。
蕎麦をそばつゆにどぶ付けしても、蕎麦を噛んでいる間に薄まって、ちょうどいい具合になります。
次はこちら!きじ汁です!
きじ汁を頼んだのは今回が初めて。
このきじ汁はつけ汁として使います。
入っているのは、ネギ、きじ肉、それと大根おろしです。
味はそばつゆと同じように若干強めです。
それでいて、塩分は尖っていません。
大根おろしを入れているからでしょうか。大根おろしを入れていても、過剰に大根臭いということはありません。大根の風味は、いい意味であまり感じません。
きじ肉は・・・やっぱり固いですね!親鶏の肉よりも倍以上固いです。
きじ肉は養殖ものを使用しているそうです。
でもこれ、好きだな~!
このきじ汁に蕎麦を付けて食べても、それでもこの蕎麦は負けません!
負けないし、喧嘩もしません。仲良く美味しくなってくれますね!
もちろん、きじ汁が温かいので、締まっていた蕎麦が緩んで多少は柔らかくなります。
ある程度食べ勧めると、そば湯を持ってきてくれますよ!
やっぱりいいですね、源四郎サイコーですよ!
きじ汁を頼まなければ、動物性たんぱく質がゼロなお食事になりますが、それでも十分すぎるくらい満足できます。
さらに、前もって予約をすれば、十割蕎麦を打ってくれるということです。
ご主人の森さんもとても愛想がよく、時期になれば「辛味大根」なんかもサービスしてくれたこともあります。
どうです、こんな美味しくてアットホームなお蕎麦屋さん、来てみたくなりませんか?
いかがだったでしょうか?
そば切り源四郎がある山形県大石田町は、県内屈指の玄そばの産地です。
「そば好きは遠くを厭わず」!
どれだけ山奥でも、豪雪地帯でも、そこにおいしい蕎麦があれば行ってしまう。
さあ、全国の蕎麦好きの皆さん、集え!大石田に!
おわりに
当ブログでは、我が山形県への旅行や移住、特産品の購入を考えている全国の皆さんに対し、少しでも役に立つ情報をまとめています。
わたしが実際に観光地などに行ってみて直接取材していますので、限りなく観光客と同じ目線に立って記事作成に当たっています。
実際にその場所まで行く必要があるので、ちょっと記事を書くペースは遅くなるんですけど・・・
この記事以外にも、山形県内のそれぞれの地方ごとにまとめた記事がありますので、ぜひコチラもご覧ください!⇒【山形県を遊び尽くす】
以上でーす!