
今回、全国の皆さんにご紹介するのが、山形県の村山地方と庄内地方を結び、山形県の大動脈でもある国道112号「月山道路」こと「月山花笠ライン」です!
昭和62年に、旧建設省と「道の日」実行委員会から、道路の景観美はもちろん、利便性や県民からの親愛性なども考慮され、「日本の道100選」に選出された、まさに山形県を代表するシンボルロード!
山形県西川町から出羽三山のそばを突き抜け、山形県鶴岡市に抜けるこの道は、「ただ車で走る」だけで手軽に大絶景を楽しむことができます!
また、その道中には、トンネルも数多く存在することから、トンネル好きや子供にも大人気!
今回は、トンネルも全部ご紹介しちゃうことにします!
なので、西川町にある「道の駅にしかわ」から走り始めますよ!
そして、「月山花笠ライン」を庄内地方に向かって走り、この道の最後のトンネルを抜けた先の山形県鶴岡市にある「米の粉の滝ドライブイン」まで行ってみましょう!
さて、用意はできましたか?
道の駅で飲み物は買いましたか?
お手洗いは済ませましたか?
さあ、しゅっぱーーーーつ!
この記事はこんなお話
月山道路こと「月山花笠ライン」データ
道路名称 | 月山道路(がっさんどうろ)または 月山花笠ライン |
道路種別/路線番号 | 国道/国道112号線 |
全長 | 30.9km |
自動車専用道路区間 | 内15.9km |
冬季通行 | 可能 |
起点/終点 | 山形県西川町砂子関(横手トンネルから山形市方向へ800m付近)/山形県鶴岡市大網 |
アクセス | 山形駅から「道の駅にしかわ」まで、車(有料道路優先)で約40分(約37km)
山形空港から「道の駅にしかわ」まで、車で約35分(約26km) 鶴岡駅から「米の粉の滝ドライブイン」まで、車で約30分(約23km) 庄内空港から「米の粉の滝ドライブイン」まで、車(有料道路優先)で約30分(約34km) |
こんな時に利用するのがベスト! | 「冬季以外」の「晴れた日」に、絶景を見に行くとき!
出羽三山にある観光地に行くとき! 村山地方から庄内地方に向かうとき、またはその逆。 |
(参考:Googleマップ)
今回は、月山花笠ラインの前後も併せて走るため、当記事での走行距離は約37kmです!
「月山花笠ライン」の歴史
この月山花笠ラインが全面開通したのは、遡ること1981年7月と比較的最近のこと。
それまでは、月山花笠ラインの前身である国道112号線旧道が主に利用されていました。
昭和33年から37年のたった4年間に、自動車の普及に伴い、旧道の交通量は6倍にも膨れ上がりました。
旧道は道が険しい上に車のすれ違いも困難であり、車社会へと突き進む戦後の日本の道路事情としては、かなりの時代遅れロードになってしまったのです。
このような理由もあり、昭和41年度に新しい道路、つまりこの「月山花笠ライン」の工事が始まったのです!
冬の大雪や地形の険しさのため、多くの犠牲者を出しながらも、総工費464億円をかけ、1981年7月に全面開通に至りました。
「月山花笠ライン」という道路の愛称は、県民の公募により決まったもので、開通に合わせて命名されたんです!
国道112号線旧道(別名「六十里越街道」)については、こちらを参照してくださいね~!
「月山花笠ライン」を通ってみよう!
さあ、今回の出発地点である「道の駅にしかわ」に到着しましたよ!
道の駅なのに、温泉が併設してあったり、アルコールゼロの「地ビールソフト」なんて売ってたり、なかなか魅力的な道の駅なんですよ!
この道の駅から山の方に進めば、すぐに山道に入っていくことになります。
でも、まだここは「月山花笠ライン」の区間ではありません。
もうちょっと先からになりますので、まずは「月山花笠ライン」の起点に向かって走っていくことにしましょうか!
「月山花笠ライン」の起点を目指せ!
道の駅西川を出て西側に進むと、すぐに最初のトンネルが出て来ます!というか、道の駅からでも見えそうな距離にあります!
いや~、この日は偶然にも村山地方側の天候は晴れだったんですねぇ!
この日を狙ってたんですよ!曇りの日に行っても、物足りないですからねぇ。
名前が爽やかな「水沢トンネル」です!
西川町の水沢地区にあるから水沢トンネル。わたしがこの道の中でも好きなトンネルの一つです!
トンネルを越えると、すぐに山登りが始まります。
勾配もそれなりに急なので、軽自動車なんかはターボじゃない限りちょっと力が足りないかもしれませんね。
まあ、それも登りだけですから、の~んびり登ってください。
この道路は法定速度ですが、実際に走行してみると、どの車も80km/時が標準速度ですね。
もちろん遅くても問題ありませんよ。途中で登坂車線が何か所もありますから。
次のトンネルが出て来ました!
道沿いに民家が出てくるのはここまでです。
このトンネルの直上を、山形自動車道が通っているのがわかるかと思います。
山形自動車道を通ると、はるか先にある自動車専用道路の直近まで短時間で行くことができます。
そのため、地元民は山形自動車道に乗らずに走るこの道を「したみち」と言ったりもします。
どんどん標高が上がっていくと、ご覧のように橋梁が沢山出て来ます!
月山花笠ラインだけで、大小44か所もの橋梁が設置されています。
どうやら、月山花笠ラインの起点が近づいてきたようです!
月山花笠ラインの起点は、水沢トンネルを含めて3つ目の「横手トンネル」から山形市方向に800m付近の地点と決められています。
ちょうどこの断崖絶壁あたりです。
特に「月山花笠ラインはここから」なんていう立て札も何にもありません。
Googleマップで調べると、ちょうどこの辺が起点となります。
最初の目的地が月山花笠ラインの起点でしたが、こんなところで停車できないので、このまま月山湖まで行っちゃいましょう!
起点から800m進むと、「横手トンネル」が出て来ます。
このトンネルを越えると、月山湖があります。
さあ、せっかく月山湖に着いたんですから、大噴水でも見学しませんかね?
世界第4位、もちろん日本一の大噴水です!
でも、そのマックスパワーは、実は世界第2位なんですねぇ!
月山湖で一休みしたら、次はこの道のシンボルトンネルとも言える「月山第一トンネル」に向けて出発しますよ!
ここから先、しばらく走ると自動車専用道路に入っていきますので、お手洗いなどは確実に済ませておきましょう!
月山花笠ラインの頂上「月山第一トンネル」を目指せ!
では、月山湖を出発!
すぐに月山湖から先は、V字坂になっています!
ちょろっと坂を下って、登り坂になっている「砂子関トンネル」に入ります!
坂の上から見ると、車がトンネルを登っていく様子が不思議な感じに見えますよ!
砂子関トンネルを抜けると、間髪入れずに次の「月山沢トンネル」が!
月山沢トンネルを抜けると、運転席側に広がる光景がこちら!
運転席側にはキレイな山々が見えます!
反対側の助手席側には月山湖の湖面が見えてますよ!
森と湖を両方堪能できる絶景ポイントの一つです!
このあたりから、しばらく平坦な道が続きます。
その先には、国道112号線旧道へと続く分岐点が出て来ます。
このT字路の右の道が国道112号線旧道の西川町の終点です。
この月山花笠ラインも最上級の景勝ロードですが、この道すら足元にも及ばないほどの大絶景が延々と続く伝説級の景勝ロードです!
ここをまっすぐに進むと見えてくるのが、山形自動車道との合流点。
画面中央の緑の橋が、山形自動車道からこの道に接続されます。
山形自動車道がここまで開通してから、下道を通る車の数は減少傾向にあります。
主に寒河江市や山形市方面から走ってくる車がほとんどです。
途中、運転席側からはこんな人工の滝も見えます。
山の切れ目から見える滝・・・何ともイイ感じですよ!
山形自動車道と月山花笠ラインが合流した後は、すぐさま自動車専用道路に入ります。
長さは15.9km、約16km続きます。
歩行者、自転車、125cc以下のバイクでの通行はできませんよ~!
ここからまた登り坂に転じます。
しかも、これから月山第一トンネルまで延々と登り坂です。
途中、2、3か所に登坂車線が出て来ますので、力が無い車でも安心!
周りの山々が低く感じるほど標高が急上昇します。
こんなところに道を作ったんですから、この道や旧道を作った作業員の苦労に感謝ですね。
だって、走っている道のほとんどが断崖絶壁に作られていますからね。
延々と断崖絶壁と橋梁の繰り返しです。
この辺の標高になると、5月中旬でも道端に残雪が残っています。
・・・ということは、鶴岡市や酒田市の日本海で魚が連れ始めるのがおよそ5月ころから。
村山地方に住んでいる釣り好きの皆さんは、ここで残雪を確保して行けば、コンビニなんかで魚を冷やす氷を買わなくても済むんですね~!
なんてこと言ってるうちに、志津トンネルが見えてきました!
このトンネルを越えると、山に沿ってカーブが連続して現れます。
そのカーブに沿って出てくるのがこちら!
わたし、これの名前わからないんですよね~。
トンネルのようでいて、側面がタテに網状になっている、トンネルの出来損ないみたいなやつ。
雪崩なんかを道の上を通過させて下にやり過ごすための雪除けだと思うんですけど・・・。
誰か名前を知っていたら教えてください!
これが3つ連続で出て来ます。
こんなのがこれからあちこちに出て来ますが、トンネルと違って名前も無いので省略します。悪しからず。
登り坂は続き、さらにぐんぐん標高は上がります。
山の天候は変わりやすいと言ったもので、この日はこのあたりから徐々に晴れ間が無くなり、一転して雲が立ち込めてきました。
このあたりからの道沿いには、このように防風柵がズラっと並ぶようになります。
防風柵を越え、さらに登っていくと、ついに見えてきますよ!
月山花笠ラインのシンボルトンネル「月山第一トンネル」が!
全長2620mを誇る、月山花笠ライン最長のトンネルです!
あまり長すぎるトンネルも途中で飽きてくるので、このトンネルくらいの長さが一番楽しめますね!
このトンネルのほぼ中央がこの道の一番頂上で、西川町と鶴岡市の境でもあります。
道はそこから一気に下りに転じますよ!
さあ、月山第一トンネルを通り抜けたので、次に目指すは「月山花笠ラインの終点」を抜けた先にある、「米の粉の滝ドライブイン」ですよ!
月山花笠ラインの終点を越え、「米の粉の滝ドライブイン」を目指せ!
月山第一トンネルを越えると、すぐに「湯殿山神社本宮」に向かう分岐点が出て来ます。
遥か昔から参拝者が後を絶たないここ湯殿山は、月山、羽黒山と合わせて「出羽三山」と呼ばれています。
湯殿山本宮に参拝に行く場合は、高架橋をぐるっと回りこんでいきます。
月山第一トンネルの中から下り坂がずーーーーっと続きますので、エンジンブレーキで減速して走行していくことをおススメしますよ!
下り坂ですから、急ブレーキを踏んだりすると追突される危険性があります。
なるべくブレーキを使わず、エンジンブレーキを多用して下って行きましょう。
お次のトンネルは「湯殿山トンネル」です!
トンネルの数は、鶴岡市側よりも西川町側の方が多いですね。
鶴岡市側の5か所に対し、西川町側は7か所もあります。
合計12か所もトンネルを堪能できるんですよ!
タイトルの意味わかりました?
トンネル1ダースwww
湯殿山トンネルを越えた先には、間髪入れずにこのトンネルが待っています!
月山花笠ラインのシンボルトンネルその2!
「月山第二トンネル」です!
見た目は同じですが、全長は月山第一トンネルより1100m短い1530mです!
わたしなんかのレベルになると、この二つのトンネルに会いたいばかりに、ガソリンを無駄遣いしてここまでくるという暴挙に出ることもしばしば。
それくらい引き付けられる絶対的な魅力があります。
トンネルを抜けてもなお続く下り坂。
下り坂で見る景色は、標高が徐々に下がるため、どんどん大きくなって見えてきます。
何度も言いますが、スピードが出やすいので要注意!減速を常に意識しながら走行しましょう。
そしてついに・・・
自動車専用道路はここでおしまいです。
自動車専用道路が終わっても、民家が出てくるのははるか先。
ここまでと同じ走行方法で走り続ける事が可能です。
自動車専用道路が終わると、徐々に施設などが出て来ます。
お客さんの入りは、通行客半分、工事業者半分と言った具合でしょうか。
え?なんで工事業者?って思ったあなた!
月山花笠ラインは、村山地方と庄内地方を結ぶ、言わば「山形県の大動脈」です。
この道路が通行できなくなることで、この道路よりさらに北方にある最上地方の国道47号線を迂回しなくてはならなくなります。
そうなると山形県経済にとって大打撃となるので、この道路は常にひっきりなしで改修工事や補強工事が行われているんです。
この日も、2か所で片側交互通行が実施されていました。
あ、写真は撮れなかったんですが、ここまでの道のりの中に「釣り堀」があったり「湯殿山スキー場」に分かれる分岐点もありますよ!
さあ、そんなこんなしているうちに、庄内方面の山形自動車道が見えてきました!
左側のスロープを登って行った先に山形自動車道があります。
一気に海沿いまで行くことができるので、とても便利!
でも、わたしとしては下道をのんびり走るのも悪くない・・・。
ってか、実際30分も40分も変わるもんじゃないです!
だって、下道も圧倒的に空いてますから、走りたい放題です。
もちろん、制限速度は守りましょうね!
おっと、トンネルが見えてきました!「田麦俣トンネル」です!
この周辺にある「田麦俣地区」は、今はトレッキング街道になってますが、昔の人が徒歩で出羽三山信仰に使用した「六十里越街道」の宿場町の役割を果たした場所です。
標高もだいぶ下がってきたので、見てのとおり、山の中腹くらいまで降りてきています。
田麦俣トンネルの先には、「あさひ月山湖」があります。
あれ?月山湖って西川町にもありましたよね!
そう、こっちも人造湖なんです!
西川町の月山湖の元になっているダムが「寒河江ダム」。
こっちのあさひ月山湖の元になっているダムが「月山ダム」と言います。
カッコイイでしょ?対を成しているんですね~!
今度機会があれば詳しくお伝えしたいと思います。
ダム湖が出てきたということは、本当にいよいよ終わりに近づいてきました。
トンネルはあと二つです!
さて、出てまいりました!
月山花笠ラインとしては最後のトンネルになります!しかも双子トンネルです!
庄内方面に行くための下りのトンネルが「朝日第二トンネル」、反対側の村山方面に向かう登りのトンネルが「朝日第一トンネル」です!
このトンネル、他のトンネルに比べてやたら暗いので注意してくださいね!
しかもカーブを描いていますから、なお注意です!
このトンネルを抜けた先あたりで「月山花笠ライン」は終了です。
起点と同じく「月山花笠ラインここまで」なんていう標識なんかありません。
さあ、この旅での最後のトンネルがやって参りました!
西川町の水沢トンネルをくぐってから約30分。トータル12個目の「大網トンネル」です!
どうでしたか?
結構長いように感じますけど、実際に走ってる時間はたった30分くらいなんですよ~!
楽しいでしょ?景色観たり、トンネルたくさんくぐったり。
もっとご一緒したいところですけど、どうやら終わりが見えてきたようです。
さあ、トンネルを抜けます!
このトンネルを抜けた先には、わたしの大好きな「米の粉の滝ドライブイン」があります!
じゃあ、ここで止まりま~す!
はい、お疲れっした!
月山花笠ライン走行時の注意点
とても楽しい月山花笠ラインですが3点ほど注意していただきたいところがあります。
まず1点目。
冬場の運転は要注意!
山形県の山沿いは例外なく豪雪地帯です。
この月山花笠ラインで危険なのは、積雪よりも吹雪です。
視界が無くなるほどの吹雪が吹き荒れる場合がありますので、冬季の走行はかなり注意が必要となります。
2点目です。
あおり運転に気を付けろ!
今は世間があおり運転を許さない風潮になっているから減ってきているでしょうけど、以前はこの道の走行に関しては無法地帯でもありました。
追い越し禁止の黄色ラインが引っ張ってありますが、あおり運転っぽい行為をされたり、後ろから猛スピードで近づいてくる車があれば、減速した後に抜かさせてやってください。
もちろん追い抜いた車は交通違反となりますが、こんなところに警察がいるのを見たことはありませんし、なにより事故に巻き込まれないようにするためにも、そういうバカたれにはあえて進路を譲ってやるのがベストです。
3点目です。
渋滞情報の事前確認を!
先ほどもお話した通り、この道路では頻繁に道路工事が行われています。
片側交互通行になっていたりして、渋滞がたびたび発生しますから、あらかじめ渋滞情報を確認しておくことをおススメします。
また、庄内地方で大きなお祭りや花火大会があるときなどは、西川町方面からの車で大渋滞することもあります。
併せて確認が必要です。
いかがだったでしょうか?
わたしが山形県で最も好きな道がこの月山花笠ラインを含む国道112号線です。
大絶景とトンネルを通るワクワク感は、子供時代からわたしを楽しませてくれました。
どうですか?山形旅行の際は、冬季以外の時期であれば十分楽しめると思いますよ!
特に、紅葉の時期は最高だ!
おわりに
当ブログでは、我が山形県への旅行や移住、特産品の購入を考えている全国の皆さんに対し、少しでも役に立つ情報をまとめています。
わたしが実際に観光地などに行ってみて直接取材していますので、限りなく観光客と同じ目線に立って記事作成に当たっています。
実際にその場所まで行く必要があるので、ちょっと記事を書くペースは遅くなるんですけど・・・
この記事以外にも、山形県内のそれぞれの地方ごとにまとめた記事がありますので、ぜひコチラもご覧ください!⇒【山形県を遊び尽くす】
以上でーす!