
今回は、警察官の試験を受ける前に肝に銘じておかなければならない事についてお話します。
この記事をみているあなた、警察官の試験を受けるかどうか悩んでいるから来たのですね?
または、警察官試験を受ける方の親御さんが「警察官ってどんな仕事するのかわからないから不安やわ~」って理由で、親心一心でググってみたらここに行きついたのですね?
その気持ち、わたしもかつて痛いほど味わいましたよ。
では、そんな方々の思いを受け、元POLICEMANけたろーが、ありのままに現実をお伝え申し上げますよ!
この記事はこんなお話
警察は「14K」!!
はい、しょっぱなからこんな話で申し訳ありません。
不安をさらに増大させてしまいましたかね。ですが、この真実を飲み込む自信がある方でないと、絶対に務まりません。
理由は個別に説明します。
警察官は、
キツい、汚い、クサい、勤務時間が長い、帰れない、厳しい、緊張しっぱなし、嫌われる、高クビ率、高収入、高福利厚生、高信頼、感謝される、カッコイイの、14Kです!
よくここまで思いついた!わたし天っ才!!
でも、これ全て事実。どうです?辞めますか?
はい、今辞めようかな、と思ったあなた!
辞めた方がいいです。こっちに警察関係以外の記事がたくさんありますから、こっちへ行きましょうよ?ね?→けたろーランド:サイトマップ
これを見て辞めようかな、と思っているんであれば絶対に続きません。仮に合格して警察学校に入っても、多分一週間と持ちません。
その理由は下を読み進めるうちにわかります。
警察は「キツい」
警察は、キツいです。何がきついかって?肉体的にも精神的にもキツいです。
え?どの段階がキツいんですか、って?
警察学校に入って、退職するまで延々とずーーーっとキツいです。
当然、楽しい時だってたまにはあります。
ざざっと通してみるとキツいのが続くよどこまでもってことです。
肉体的にも精神的にも追いつめられるから、警察官の精神疾患の発症率は異常に高いんですね。
ちなみに、警察官の平均寿命がどれくらいか知ってますか?わたしがいた県警だと、62、63歳くらいって囁かれてました。
見てくれが明らかに還暦間近だろ!って人に年齢を尋ねると、「まだ40代前半です」なんてザラでした。
皆さんどうやら退職後にポックリいくようです。わたしが卒業配置した警察署の署長さんも、退職されて1年後にはもう帰らぬお方でしたから。そんなもんでしょう。
3交代勤務はあるし、当直業務はあるし、変則勤務だし、というので、寝れないし、どんどん老けていくんですね。
これ全て事実です。
警察は「汚い」
これを書くと誤解を生じそうですが、警察署とか、警察官個人が汚いのではありません!警察署と警察官個人に対してはその全く逆。すごくきれいです。特に若手は警察学校で掃除を徹底的に叩き込まれますから。
警察の扱う業務の中で「汚い」モノに接する割合が高いということです。
皆さん想像つくと思います。でも生々しい描写をすると確実に警告対象になってしまうので書けません。
要は、看取られずにこの世を去り、見つけてもらえなかったお方、車にはねられた動物、ゴミ屋敷、風呂に入っていない方、精神疾患のため自分の出したホニャララをホニャララする方、など、数えきれません。
そういう事案を当たり前のように扱うんです。
警察は「クサい」
上で書いた汚いものから出たその臭い、想像を絶します。どちらかと言うと、臭いよりも精神的にキツいです。
マスクは必需品です。それとこれらの臭い、鼻の奥にしみついて取れにくいんです。勤務明けに風呂に入ったら、鼻の奥までよく掃除する必要があります。
わたしが体験した中で一番クサかったのが・・・書けません。
警察は「勤務時間が長い」
はい、基本的に長時間労働です。残業代はある程度出ます。
どれくらい長いかっていうと、例えば殺人事件が発生して、その指揮をとらないといけないような立場の方だと、本当に当面の間は帰れません。それは現場次第ですが、数日から何週間じゃないでしょうか。何か理由を付けてちょろっと帰ることはあるかもしれませんが。
でも、そんな事件早々起きません(起きたら困ります!)から、身近なところで言うと交番の3交代勤務です。
朝8時ころに出勤して、9時半から業務開始、翌日の9時半まで24時間働いた後、書類整理だ、ナンチャラかんちゃらやっているうちに夕方3時、4時。ひどいと夜7時ころまでやっている人もいます。でも仮眠時間は多少あります。
庁舎内の掃除をする若手警察官は、朝6時半とか7時くらいに来るので、最悪36時間勤務とかになっちゃいますね。平均すると30時間くらいいるんじゃないでしょうか。
だんだん頭がぼーっとして動かなくなってくるんです。
「ワタシハダレー」「アー、ケタローダッター」「イマカラアルイテカエルー」「アー、チャリダッター」みたいな感じになります。
警察は「帰れない」
これは上と被りますね。
それと、例えば緊急に使う捜査書類の作成とか。緊急を要しますから、たとえ明けの日(非番:3交代の2日目のこと)であっても、時間なんか関係なく作らなければなりません。警察官である以上「そんなのイヤだから帰ります」ってのは通用しません。
どうしてか?それは、警察の扱う捜査書類は、その被疑者(犯人)の基本的人権を強制するほどの力を持っているからです!
この他に「センパイより先に帰っちゃいけない」ような風潮がまだ多少なりともあるんじゃないでしょうか。
物分かりのいい先輩だと「俺なんか待ってなくていいから、お前早く帰って休め」って言ってくれる方もいますけど。
わたしはこのタイプでしたね。スゴイ優しいでしょ。疲れてるのに無駄に残ってたって鼻クソにもなりませんから。
まあ、叱る必要があるときは叱りましたけど。
警察は「厳しい」
世間一般に浸透している警察のイメージそのものです。
そのとおりです。警察は階級社会ですから。上職者の命令は絶対なんです。
今は「セクハラ禁止」「パワハラ禁止」となってきている状況ですが、それでも当然ミスれば叱られる、怒られる、当たり前です。
ただ、階級社会だから厳しいとかそういう事ではなく、勤務環境とかそういう事をみんなひっくるめて「厳しい」んですね。
警察は「緊張しっぱなし」
そのとおりです。今の警察が扱う事案は、個人情報やら個人の権利やらが重要な割合を占めますので、事案対応時の一般市民に対する言動一つにも十分気を付けなければならないんです。
それに、警察は不測の事態には実力行使が許されていますよね?要は、襲い掛かってくる悪人がいたら拳銃で撃ったり、警棒で叩いてもいいってやつです。そんな事態に遭遇したら、緊張しないわけがありません。
事案対応だけでなく、先輩上司にも当然最大限の気を使いますから、内外問わず緊張しっぱなしになるんです。
当然、階級が上がれば下の階級者に対する気遣いの割合はある程度減るんでしょうが、今度階級に応じた仕事が出て来ますから、また緊張しますよね。
警察は「嫌われる」
警察が嫌いでやたら反発してくる人などが多数いることも事実。その逆もありますが。
嫌われることを良しとできる性格じゃないと難しいかもしれませんね。
警察が嫌われる原因として挙げられるのが、全国の警察官が起こす不祥事と、警察の事案対応への不備でしょう。警察官が犯罪を犯したり事案対応に不備があっては、それは当然「警察何やってんだよ!信用ならねえよ!」ってなるのは当然。嫌われてしまっても仕方ないことです。
それともう一つは、交通の取り締まりですね。違反する違反者が悪いのは当然ではありますが、切符を切られて反則金をむしり取られると感じてしまう交通の取り締まりは、警察が反感を買ってしまう最たるものですよね。
警察は「高クビ率」
はい、そのとおり。クビっていっても、何も懲戒免職だけではありません。
よくこういう事を聞きませんか。
「平成〇年〇月〇日午前〇時〇分ころ、〇県〇市のスーパーマーケットで、A県警B警察署C課に所属するD警部補(40)がアイスクリーム1点を万引きしたとして、B警察署刑事課に逮捕されました。D警部補は容疑を認め『金が払うのがもったいなかった、申し訳ないことをした』と供述しています。A県警本部監察室首席監察官E警視正は、本件に関して『本件の警察官がこのようなことで逮捕されたのは誠に遺憾である。県民の皆様の信頼を著しく失墜させてしまい大変申し訳ないことをした。本件については厳正に対処する』とコメントしています。Ⅾ警部補は、〇月〇日付けで減給1か月の懲戒処分を受け、同日付で依願退職しました。」
はいこれ!依願退職です。警察が犯罪を犯した同僚の警察官に対して使う常套手段です。
犯罪って言っても、何も万引きとか痴漢とかそういうものだけではありません。捜査書類の改ざん、偽装、そういうものも含まれます。
懲戒免職にできる問題とできない問題が、警察では詳しく規定で定められているんです。
懲戒免職になる不祥事か否かを問わず、起こしたことは同じ「犯罪」。悪人を捕まえて懲らしめる立場の警察官が犯罪を犯しちゃいけません。当然、警察官という立場で居続けてもらうわけにはいかないわけです。
「犯罪者を取り締まるべき組織の警察が、犯罪者である警察官の雇用を続けている」となりますから。
だから、依願退職と言う形で本人に辞めるよう促しているんです。
じゃあ、嫌だって辞めなかったらどうするかって?
コワいこと聞きますね。それは答えられません。
まあでも、犯罪を犯したら辞めないといけないということは、警察職員である以上、共通認識です。
警察は「高収入」
はい!ものすごいですよ。ちまたにありふれている公務員の中でもトップです。
平均年収813万円とされていますね。当然、各県警によって多少なりとも前後はします。
ただ、警察官である以上食いっぱぐれる心配はありません。
署長クラスになると、年収が1200万円とか1300万円くらいにはなるんじゃないでしょうか。
もし、警察官の男性が警察官の女性と結婚したのであれば、若くても年間300万円くらいは貯金に回せます。
その夫婦が退職間際になれば、それこそ家庭年収は2000万円くらいになります。退職金は、今(平成30年)の基準だと、2人合わせて4000万円も入ります。
生涯家庭年収だと多分7億円くらいになるんじゃないでしょうかね。一人でも3億5000万円くらいにはなるのかな?間違ってたらごめんなさいね。
わたしと同階級(巡査部長)で60歳で退職された方なんかは、子供2人を大学まで進学させ、家を2件建てた上、レクサス乗ってました。その上で退職金が入ってくるんです。
警察は「高福利厚生」
はい!これもものすごいですよ!
まず有給休暇は当然あります。以前はなかなか消化しきれない風潮だったのですが、今は徐々に有給休暇を無理してでも消化する流れに変わってきてますね。
その他、財形年金、各種保険、ちょっとしたお手当など、そのバリエーションたるやスゴい豊富です!生きていく上で何も心配いりません。
警察は「高信頼」
はい、銀行からお金を借りるときなんかは、この肩書きは絶大です。絶対に通ります。だって警察官ですから。
社会的信用が圧倒的に高いですからね。
婚約者の父親「あなたご職業は?」
「警察官です」
婚約者の父親「うむっ!!」
みたいな感じです。
警察は「感謝される」
そうですね、これは普段の事案と言うよりも、災害派遣とかじゃないでしょうか。
多分普段の事案は、感謝されるより文句を言われる方が圧倒的に多いですね。
被災地の道端に「おまわりさんありがとうございました」なんていう看板が設置してあるのを見たときは、現場に行っていないわたしでもウルって来ましたから。そういう時は感謝されてうれしいなってなりますよね。
そういう感謝をいただくと、自分のモチベーションを保つことができます。感謝されると、よし!やってやろう!って気になりますもんね。
警察は「カッコイイ」
子供のあこがれの的になります。制服を着て幼稚園にパトロール行った時なんかは、群がりますよ、ちっちゃいのがウン十人と。
それに、警察に好意的な方からは「カッコイイですね」なんて言ってもらったりすることもあります。同僚のセンパイなんかは、逆ナンされて、押し通されて最終的に結婚までしましたよ。
警察グッズを集めてたりする警察マニアからすれば、警察官はたまらないでしょうね。
けたろーまとめ
さて、いかがだったでしょうか?
絶対になってやるって方もいれば、いやー辞めとこ、って方もいると思います。
これが真実です。
これを読んで、全然平気だって方は、ぜひ受験をお進めします。
その辺の対策用の記事も今後書いていきますからね。
じっくりよーーーーく考えてみてくださいね。
以上でーす!
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