
今回は、警察学校の一日の流れについてお話していきます!
よく、各都道府県警の警察学校のホームページとか見てみると、何時に起床して、何時から授業して、何時に寝て、みたいなざっくりとした内容しか書いていませんよね?
あの程度でも当然把握はできますが、学生がその時々に何を思っているのか、何に困っているのか、そんなところまでは読み解けないわけです。
そこで、元POLICEMANけたろーが実体験を元に皆さんに可能な限りわかりやすく、超有力な情報を満載にしてお届けします!
あ、もちろん守秘義務は守っていますので、話せないところは話しませんので悪しからず。
とっても長くなりそうだったので、前編中編後編の三部作でお届けすることにしました。
前編は起床時からホームルームのために教場に行くところまでを詳しく解説します!
さあ行ってみよう!
さあ飛び起きろ!朝点呼の時間だぞ!
起床時間はだいたい午前6時とか午前6時30分のどちらかです。7時まで寝ててもいい警察学校はありません。
起床時間は各都道府県警によって異なりますので、各県警察学校のホームページで見てみるといいですよ!
起床時間が来るとチャイムが鳴ります。もしかしたら音楽がなる警察学校もあるかもしれません。
チャイムと同時に飛び起きたら、布団をたたみ、ジャージに着替えて、トイレに行って、全力ダッシュで外に出てグラウンドに向かいます。
すると、何ということでしょう!もう朝の点呼が始まっちゃっているではないですか!
そうなんです。わたしのいた警察学校の場合、チャイムと同時に飛び起きると間に合わなくなるんです!
間に合ったとしてもかなりギリギリ。朝一発目から焦るハメになるんです。
それじゃあ何のためにチャイムがあるのよって話になりますが、現実問題そういうもんですから諦めるほかはありません。
確実な起き方としてはコレ!
起床時間を6時30分と仮定しましょう。
まず、6時15分くらいにノソっと起き出し、静かにトイレに行きます。
5分かけてゆっくり用を足してもらって結構です。ここでトイレに行っておかないと、点呼の時に苦痛を味わう可能性があります。
朝の便意は急に襲ってきますので、一度グラウンドに出たらトイレに行くのはかなり困難です。この「朝点呼の前にトイレに行っておく」といくのは超大事なポイントです。
次に布団をたたみます。
警察学校では布団のたたみ方まで詳しく決められているんです。
「この角とこの角をあわせる」「たたんだ布団は敷布団のこっちの角に合わせて置く」とか決められた通りにたたみましょう。
慣れてくると、布団をたたんできれいにするのに1分と掛かりません。
布団をたたみ終えたら次は着替えです。
前日の夜に翌日着るジャージを用意しておくと便利です。
そのジャージに着替え、チャイムが鳴るまで待機します。
わたしのいた警察学校では、「チャイムが鳴るまで布団から出るな」とか「朝トイレに行くため早く起きるな。どうしてもって場合は別だけど」とかわけわからない指示が出たこともありました。指示の出所は結局不明でした。
申し訳ありませんが、そんな不確実な指示は守ってられません。
だって、生きている以上便意は襲ってくるし、点呼に遅くなったら叱られるじゃないですか。
だからわたしは「どうしてもトイレに行く必要がある」と言う理由でトイレに行っていました。それがわたしの体内リズムなので仕方ないです。
起床のチャイムが鳴ったら、寮室員がそろうのを待って一緒にグラウンドに行きます。
ちょっとしたワンポイントアドバイスです!
警察学校で行動するポイントの一つが「可能な限り一人では行動しない事」です。
一人行動をして失敗して叱られた場合、ダメージを受けるのは自分一人です。
団体行動をしている以上、全員が叱られて連帯責任にはなりますが、個々のダメージは少なくて済みます。
話を戻しますね!
グラウンドに着いたら、整然と並んで待機。当直教官が来たら朝点呼開始です。
わたしがいた警察学校の場合、その日の教場当番が教官に対して申告を行います。
かなりお堅い文言で申告をするんですが、要約すると「〇名全員そろってまーす!お休みはいませんよ!」という内容を告げます。
県警によっては、総代(そうだい)か副総代が行うところもあるかもしれません。
総代とは「その期の学生代表」で、副総代とは「そのクラスの代表(学級長)」です。
朝点呼は、グラウンドに全在校生が一堂に会します。
全クラスの申告が終わるまでしばし待機です。在校生が少ないほど早く終わります。
申告が終われば体操に入ります。
「警察体操」というラジオ体操のような踊りのようなものがありますので、これも全力で踊ります。
わたしの同期がこの「警察体操」を手を抜いて踊っていたため当直教官にグラウンド外に引きずり出され、過誤報告に行って激しく叱られたという例が複数存在します。
警察体操が終わると、多分この辺から各県警察で違ってきますね。
ランニングをしたり、筋トレをしたり、何もなかったりするはずです。
ここまでで朝点呼の時間は終わりです。
時間にすると、6時40分ころから始まって6時55分ころまでになります。
学生の多い少ないで多少の前後はします。
引き続き掃除タイムに移ります!
掃除の時間だ!徹底的にピカピカにしないとやり直しが待ってるぞ!
朝点呼が終わった後は、掃除の時間です。
時間にすると、
掃除場所は寮室単位なり個人単位なりで細かく分かれることになると思います。
掃除場所については、正直かなりの当たりハズレがあります。
まず、ハズレから説明していきましょう。
一番ハズレの掃除場所は「教官室」です!!
そりゃそうですよ、教官たちがそろっている場所ですからね。ここになったら頭を抱えて悩むレベルです。
そんなに!?って思うかもしれませんが、教官室なので一番教官の目が届く場所なんですね。
掃除が終わって「ゴミ箱にゴミが入っていた」とか、「ホコリが棚についていた」とか、何かしらの不備があれば校内放送で掃除した学生全員が招集され、やり直しをさせられます。
ただでさえ朝の時間帯は非常にバタバタしがちなのに、やり直しなんて命じられたら下手すると朝食を食べる時間が無くなってしまうかもしれません。
実際わたしは運悪く教官室掃除になり、やり直しを食らい朝食抜きという事態に陥ったことが一度だけあります。
ひどい話です。そんな日に限って朝のホームルームで「今日の朝食が残った、食ってないやつがいる」とか探られるんです。
本当に理不尽だと思いました。
教官方が掃除のやり直しをさせたおかげで学生の朝食の時間が無くなったのに、朝食を食わないのは何故だって言われても・・・
「〇〇教官から掃除のやり直しを命じられて掃除をやり直したので朝食を食べれませんでした」って言ってやろうかと思いましたね。
知らんぷりしましたけどね。ほんとあんまりです。
話を戻します。
掃除のやりなおしについては、教官室に限らず、掃除場所を確認して回る教官がいるためその教官の目に止まればアウトです。
次に当たりの掃除場所です!
当たりの場所の最たるものは「使われていない場所の廊下掃除」です!
毎日毎日使われない場所を掃除しているので、汚れているはずがありません。
わたしは運よくこの廊下掃除に2回当たりました。使われていない教場棟の廊下でした。
まさに天国!!ささっと履いて拭いて終わりです。
後は待機。時間を見計らって寮に帰る。そんな感じです。
その他の掃除場所として、各教場、各トイレ、各廊下、グラウンド、体育館、武道場、外の掃き掃除、外の草むしり、各寮内(個室は除く)など、学生が多ければ多いほど細分化され、学生が少ないほど受け持ちが増えると思われます。
掃除時間は7時前後から7時15分頃までです。各警察学校によって多少は前後します。
次は、待ってました!朝食の時間です!
朝食の時間だ!者ども、かっこめー!!
掃除の後、学生は流れるように食堂に入っていきます。
警察学校にいる以上、残念ながら食事を楽しむ余裕などありません。
一分一秒でも早く完食して寮内に戻るように心掛けましょう。
朝食のメニューは、わたしのいた警察学校だと「豆類」「焼き魚」の頻度が多かったような気がします。
しかも朝食のくせに量がハンパでないんです。
警察学校は、授業はもちろん、ただ生活していくだけで相当なエネルギーを消費します。
肉体的にも精神的にもです。そりゃあ普通の生活じゃありませんから、大変です。
食事は栄養補給の最たるものですので食べれるだけ食べておきましょう。
朝食は、可能であれば7時30分までは食べておきたいところです。
もし間に合わなかったら、最悪でも7時40分までには済ませておきましょう。
今日は清掃検査があるかもしれない!寮内をピカピカにしよう!
朝食を取り終わったら寮に戻ります。
次にやることは寮内の掃除になります。
主に自分たちの寮室全体と個室です。
寮室には勉強机が寮室員の数だけズラっと並んでいるので手分けして掃除します。
寮室全体の掃除は床掃除はもちろん、棚の水拭き、机の上の教科書の整頓、不要なものは置いていないか、施錠はされているかなど、細かく見ていきます。
個室も同じです。床掃除に始まり、棚の整理整頓、ハンガーにかけてある服の向き、布団のたたみ方と置き方など、こちらも細かいです。
そうしないと、今日は清掃検査に入られる日かもしれませんよ?
清掃検査で「ダメ」判定を受けないためにも、常日頃からきれいにしておく必要があります。
警察学校によっては、寮室の他にさっきの清掃時間でやりきれなかった寮内の公共場所の掃除もするかもしれません。トイレとか洗面所とか洗濯室とか。
で、この掃除は遅くても8時までには終わらせておきたいものです。早ければ早いほどその後焦る必要が無くなります。
早く!制服に着替えて教場に行こう!
寮内の掃除が終わったら、間髪入れずに授業に行く準備です。
教科書などの持ち物は前日の夜に準備しておくことが基本なので、朝はひたすら早く着替えるだけです。
一限目の授業は座学ですか?術科ですか?
座学だったら朝は制服で行くことになります。
制服に着替えるとき、気を付けることがいくつかありますよ!
きちんと制服にアイロンをかけているかとか、階級章の付ける向きを間違っていないかとか、寮室員同士で確認をしましょう。
最初ほど意外とどこか間違っていることがあるもんです。
ハンカチも忘れないようにズボンに入れておきましょう。持っているか抜き打ち検査をされる場合がありますよ!
術科だった場合は、柔道着か剣道着かジャージに着替えましょう。こっちの方が楽です。
着替え終わって8時10分前後だと理想です。
教場に行って時間まで待機!
着替えが終わって持ち物を持ったら、ホームルームのために自分の教場に向かいます。
教場に向かう途中、寮内みたいに同期とぺちゃくちゃお話をしてはダメですよ!寮から一歩外に出たら職場です。寮内も半分職場ですが・・・。
教官や先輩がいればきちんと超大声で挨拶をしましょう。挨拶をしないといつものお叱りが待ってます。
教場に着いたら自分の席に座り、担任教官と担任助教が来るのを待ちます。
わたしの警察学校の場合、教場では普通にぺちゃくちゃ話をしてても大丈夫でした。
教官が来たとたん、一瞬にして静まり返りますけど。
教官が来たかどうかは、教場当番が教場の前で立って見張りをしてますからすぐわかるので大丈夫です。
ホームルームは、勤務開始と同時に始まるので、8時30分からです。
はい!ここで前編終了です!やっぱり長いですね。前編だけで5000字を余裕で超えちゃいました。
前編を読んでみて、どうだったでしょうか?
思った以上に朝からやるべきことがぎっしり詰め込まれているんです。
試験前になると、このぎっしり詰め込まれている時間を、さらに圧縮して勉強時間を捻出する必要が出て来ます。
それはまた別記事で書きますのでお楽しみに!
最後に、この記事に追加してもらいたい内容や知りたいことがあれば、当ブログ「お問い合わせフォーム」からお問い合わせください。守秘義務に反していないか判断した上で、追記させていただきます。
以上でーす!
次の記事(中編)はこちら!⇒【元警察官が教える!警察学校の一日はこんな風に過ぎていく!(中編)】
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