
今回は、警察学校入校中の真ん中あたりで実施される警察署派遣型実習「実務実習」について説明していきます。
この実習、おそらく各都道府県警察によって名称が違います。
当ブログでは、警視庁の呼び方に習って「実務実習」としたいと思います!
この記事はこんなお話
「実務実習」って、なに?
「実務実習」とは、警察学校の学生が一週間ほど県内の近場の警察署に派遣され、交番勤務を中心とした「地域警察業務」を体験する実習のことです。
そうは言いますが、実際はお客様として警察署にお邪魔するという形式になります。
この実習を通して、その後の警察学校での授業がより分かりやすくなるというメリットがあります。
実習期間は、警察学校入校中のど真ん中付近、つまり前期試験終了後あたりに実施されることが多いのではないでしょうか。
「実務実習」って、なにするの?
まず、警察署の交番勤務は、「泊まり」「明け(非番)」「指定休」を延々と繰り返す勤務形態です。(中には「日勤」が入る都道府県警察もあります)
勤務時間は基本的に当日の午前9時ころから翌日の午前9時ころまでの24時間勤務です。
この実務実習も、その勤務時間にならって実施されます。
例えばこんな感じです。
「泊まり」「明け」「泊まり」「明け」「日勤」で合計5日。要はこれで一週間。
警察署に配属される前なので、間に指定休は無いと思います。
わたしの時はありませんでした。
指定休が無いので実務実習期間中は、肉体的にも非常に過酷です。
非番の日に学校に帰ってから爆睡することになります。
実習開始の数日前、あらかじめ、指定された警察署で実習を行う同期ごとにまとまって制服等の荷物を警察署に搬入します。
実習当日、警察署の大きい交番を中心に、一交番一実習生の割合で実習生が配置されます。
警察署にある交番は、駅前や繁華街にある大きい交番と、郊外の人里寂しいところにある小さい交番に区別されます。
警察学校生が実習で配置されるのは、警察官の人数が比較的多い駅前などの比較的大きくて忙しい交番になります。
だって、事案が無ければ実習になりませんからね。
ここまではわかりましたか?
実習では、自分の割り当てられた交番の指導員(大体は警部補)と一緒に交番連絡車(パトカー)に乗って交番に向かって勤務をします。
勤務と言っても、実習生の仕事は指導員に「気を使うこと」だけです。それしかできませんから。
勤務内容は、110番対応、管内のパトロール、交番の前で立番、道案内、落とし物対応、管内の個人宅に対する巡回連絡など、幅広いなんでも屋さんです。
最初は何が何だか全く分かりませんので、事案対応は全部、他の先輩勤務員にお願いすることになります。
この実習期間中、警察学校生が行く交番は、当然のことながら警察の最前線です。
実習期間中に大事件が発生したり、見たくないものを見なくちゃいけない事案に行かないといけないこともあります。
事案対応をした一般人に文句を言われたり、罵倒されたりすることだってあります。
その辺の覚悟は常に持っておくといいでしょう。
もちろん、事件解決に一役買った場合などは、その警察署長から表彰されることだってあります。
「実務実習」の注意点
実務実習期間中、忘れてはいけないのが警察署(特に実習生を受け入れる交番)にとって、実習生の受け入れは何のメリットも無いということ。
言い方は悪いですが、実習生は結局「邪魔者」であり「お客様」なんです。
よく考えて下さいね。
警察学校すら卒業していない右も左もわからないぺーぺーが突然実習に来たところで、戦力になるはずがありません。
しかも、一生懸命教えたところで、実習生はその当務しかいません。次の当務にはもういません。
そんな実習生のために本気になって教えてくれる人は少ないのが現状。
そう思っててください。
なので、交番によってはずーーーっと何時間も延々と立番だけをさせたり、掃除などの雑用だけをさせたりするところもあります。
その逆に、いい指導員に当たると、色んな現場やパトロールなどに連れてってくれたりもします。
なので、学生が配属される交番によって、この実習の意味や成果が大きく変わっちゃうんです。
そして、イヤな思いをした学生は「警察って合わないかも」って辞めたくなったりもします。
この実務実習はこういうものですから、最初からこういうものだと理解した上で行くようにしましょう。
いかがだったでしょうか?
実際に警察の最前線に行くと、特に前期試験の内容がよく理解することができます。
なんでこの勉強が必要だったのか、一気に理解が進みます。
当たり外れがある実習ですが、どちらに当たったにせよ、自分に与えられたことを着実にこなしましょう。
以上でーす!
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