
今回は、元POLICEMANであるわたくしけたろーが独自考察!
警察学校では、教官による学生への暴力&パワハラ&退職強要が実際に行われているのかについて、実体験に基づき考えてみます!
警察官になりたい人にとって最大最強に不安を感じるのが、警察官拝命と同時に長期間入校することになる警察学校です。
「警察学校は厳しい」という話しか聞かず、ネットを色々検索すると「教官に暴力を振るわれた」「退職を強要された」という話をよく聞きます。
え?警察官って公務員でしょ?天下の超安定した公務員の世界で、暴力とか退職強要とか、そんな時代遅れなことが許されるの!?
やっと「パワハラ」「セクハラ」なんていうハラスメントという言葉が世に広がり、自制しなければならないものとして認知された平成も終わりが見えてきているこのご時世、警察学校では未だにそんなことやってるの!?
もしかしたら、自分も警察学校に入ったら教官にそういうことをされたり、暴力を振るわれたりするんじゃないか・・・?
そう考えたことありませんか?
かの有名な元警察官ブロガー・ハルオサンの「警察官クビになってからブログ」でも教官や同期からの暴力や理不尽な退職強要があったって書いてありますからね。
今回は、実体験の全てを結集して、わたくしけたろーがそのお悩みに全力でお答えいたします!!
ただし、あくまでわたしの勝手な考察ですが、当てはまってもらわないと日本警察の将来的に超困ります!
まあ、読んでもらえればわかりますが、暴力は別として「パワハラのような厳しさ」「退職強要(退職勧告/強制解雇)」も警察官の特殊性を鑑みれば必要な物なのかも・・・、こういう考え方や捉え方もあるのかも・・・って思ってもらえるはずです。
この記事はこんなお話
警察学校で「暴力」はあるのか?
結論、もうありません!
以上、終わり!!
っておーい!早いがな!
そうです。今はもう、警察学校で暴力は存在しません。
「もう」ってことは、以前はありましたよ。
わたしが現役の時に年上の諸先輩方から色々と聞きましたが、はるか以前は、警察学校で「殴る蹴る」「往復ビンタ」「胸倉をつかむ」「髪の毛をつかんで引きずり倒す」というような行為は日常的に行われていたようですね。
でもどうでしょう。
その時代は中学・高校ですら「体罰」って言う言葉が甘く見られていて、先生様は絶対という時代でしたから、教師でさえ生徒に暴力を振るっていました。
もちろん、警察官なんて言ったら一般市民にとっては一番身近なお偉いさんの象徴のような立ち位置でしたからね。
「お巡りさんがそう言ってるんだから間違いない!警察官は絶対だ!」っていう感じですね。
まあ、そんな遥か昔の時代の話です。化石化した情報であり、今では参考のカケラにもなりません。
わたしが警察学校に通っていた2010年付近は、「首根っこを摑まえる」「胸倉をつかむ」くらいはありました。
でも、それは教官が最大限にブチ切れた場合の最終手段であり、今では間違いなく、絶対にありません。
当時は、同期同士の喧嘩でも暴力だけはダメでしたね。
同期同士の喧嘩でも「暴力を振るったらクビ」というルールのようなものが存在し、教官も暗にそれを示唆していましたからね。
他クラスの出来事ですが、一度だけ暴力を目の当たりにしたことがあります。
他クラスの担任教官が、自分のクラスの学生の胸倉をつかみそのまま学生の後ろの壁に叩きつけ、激しく怒鳴り散らしている様子を見たことがありました。
まあ、それを見ていた教官(警部補)よりも上の立場の補佐(警部)が止めに入り、その後教官が補佐に指導されていましたけどねw
2010年付近でもそんな感じでしたので、それよりもさらに時代が進んだ今世、もはや警察学校に暴力は存在しないでしょう。
そもそも「暴力」って立派な「暴行罪」ですからね。
痛みが残って打ち身でも出来た日には立派な「傷害罪」になってしまいます。
警察官の養成施設とはいえ、警察官が犯罪を犯すのは絶対にダメです。
ちょっとズレますが、警察学校には今でも殴り合いだけは存在しますよ。
ええ、授業科目の一つである「逮捕術」で実施されます。
マジで殴る、蹴る、押し倒す、なんていう訓練をします。
訓練だからいいんです。勘違いしないようにね!
もう一度言います。
もう、警察学校に暴力は存在しない!
警察学校でパワハラはあるの!?
警察学校にパワハラは存在しません。
あなたはパワハラ(パワーハラスメント)って言われて詳しく説明できますか?
職場での上司から部下への単なる嫌がらせなんかじゃないですよ?
パワハラの定義はこうなっています。
「パワーハラスメントとは、同じ職場で働く者に対して、職務上の地位や人間関係などの職場内での優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えて、精神的・身体的苦痛を与える又は職場環境を悪化させる行為をいう」
です!
こんなのググれば一発で出て来ます。
しかも、解釈としては自分に向けられた行為を自分で「それはパワハラだ!」と認定することはできず、第三者が「うん、それパワハラだね」と感じる状態で無ければパワハラには該当しません。
セクハラのように「個人の感覚次第でハラスメントに該当する」というわけではありません。
警察学校の教官と学生は、「上司と部下」の関係に相当します。
どちらが職業上の地位・優位性が高いかと言えば、もちろん教官の方が圧倒的に高いですね。
警察官は階級がすべての絶対服従の社会ですから。
よく考えてもらいたいのが、パワハラの定義の「業務の適正な範囲を超えて」という部分です。
あなたも警察学校のブログ記事を検索するくらいですから、警察官がいかに厳しくて大変な職業かっていうことは知っているはずですね。
犯罪者はもちろん、不良学生、チンピラに暴力団、その他反社会的組織から国民の身体、生命、財産を守り、治安を維持する役割を担っている警察組織。
もし警察学校がとても楽しくて、簡単なお勉強して、「よくできたでちゅね~、偉いね~♡」なんてことあるごとに教官に褒められて、ルンルン気分で卒業したらどうなりますか??
警察署に配属され、現場に出て、チンピラに
「あ!!?テメエこら!!ブッころsdfghjk!!!?」
なんて凄まれたときに、
「えええ!?こんな世界なの~!?無理~!!」
ってなりますよね。
こんな状態ではとてもじゃないですけど対応できませんよね。
つまり、「警察官として適正な業務を行うためには、新人時代から厳しく指導・教育する必要があり、そのために警察学校があえて厳しい場所である必要がある」んです。
もっと簡単に言うと、
「警察学校で厳しく指導されなかったら、警察署に配置され、事案対応に当たったときにマジで困るよ」と言う事です。
賛否両論あると思いますが、わたしの実体験として、教官から散々叱られた者勝ちです。
自分に向かって飛んでくる言葉の矢、聞きたくない言葉の嵐、そういうのに耐える力を警察学校時代で身に付けておいた方がいいです。
実際の犯罪現場では、それ以上の強さを持った毒塗りの言葉の矢や、その後を顧みない犯人からのパンチや蹴りが飛んできますから。
そんな言葉の矢や暴力に耐え、聞き流し、真に受けない柔軟な精神力を養う必要があるんです。
また、わたしがこの記事にも書いた『外出泊禁止令』などの理不尽な罰にしてもそうです。
警察学校を卒業した後、警察署に配属されるわけですが、そこで凶悪事件が発生すれば捜査本部なんていうものが設置されます。
捜査業務に従事する警察官はウン十日休み無しとか、徹夜続きとか、捜査責任者に至っては捜査本部貼り付けで何週間も自宅に帰れない、または自宅には着替えを取りに帰る程度、なんて言うこともあるくらいです。
そういう勤務環境が今現在でも続いており、大事件が発生すれば上のような状態になるわけですから、その訓練の一環として学生に「外出泊禁止」等というバツと言う名の「訓練」の機会を与え、理不尽な状況を学生に体験させるという意味もあります。
「なんでも『訓練名目』にすればいいってもんじゃない!学生をイジメてばっかりで、それはやりすぎだ!明らかにパワハラだろ!」
なんていう意見もあるかと思いますが、わたしが思うに、これら全て「業務の適正な範囲内」であり、パワハラではありません。
結論:「警察学校では、学生に対し、業務の適正な範囲内で『身体的苦痛』『精神的苦痛』を与え、将来を見据えた訓練のため、業務の適正な範囲内で『職場環境を悪化させる行為』を行っているので、パワハラには該当せず、警察学校にパワハラは存在しない」
となります。
警察学校で「退職強要」は存在するのか?
これは警察学校に入る学生が最も気にしている部分の一つなんじゃないでしょうか。
ネットを見ると「警察学校を辞めさせられた」「教官から脅された」なんていうことが出ていますが、実際はどうだろう?って思いますよね。
わたしも、警察学校に入る前に心配していた不安要素の一つでございました。
結論から申し上げますと・・・
今でも警察学校には、当たり前のように退職強要が存在します!
やり方は様々で、個別に呼び出されて「お前警察官に向いていないから辞めて?」とか「お前に警察官は無理だ」なんていうことを言われたりもします。
場合によっては身内が呼ばれて「あなたの息子さん(娘さん)、申し訳ないですけど警察官には向いていません。子供さんの未来のためにも、辞めていただく方向で説得をしてもらえませんか?」なんて言われたりもします。
事実、わたしの同期同クラスの人間も、クラスの約1/3が卒業までに泣きじゃくってしまうほどの退職強要をされています。
では、なぜ退職強要をするのでしょうか?
まかりなりにも、警察学校に入ってくる学生と言うのは、高倍率の警察官採用試験を合格して、狭き門を突破したエリートたちですよ?
そんな学生に対してなぜ退職強要をするのでしょう?
わたしの実体験からすると、教官が学生に対して積極的に退職強要をする原因はたった一つしかなく、それしか思い浮かびません。
それは、
「担任教官が、独断で、その学生を『警察官として不適格である』と判断したから」
です。
警察学校というのは、ご存知の通りクラス制であり、クラスの運営方針は担任教官に一任されています。
例えばわたくしけたろーが教官だったら、そのクラスは「けたろー教場」と呼ばれ、けたろー色に染め上げることができるんです。
そういうシステムのため、自分の教場の学生に他の教官が介入しづらいんです。
言い方は悪いですが、自分の教場・学生をどうしようと「教官の勝手」なんです。
もちろん、教官方の基本方針のようなものは存在しているでしょう。
でも大概は「教官の勝手」なんです。
わたしの担任教官は義理堅く、学生を全力で守ってくれるタイプの教官でした。
・・・ん?
でもさっき、クラスの1/3の学生に退職強要をしたって言ってなかったっけ?と思ったあなた!
良いところに目を付けてくれました!
わたしの担任教官がわたしの同期に退職強要をした理由とタイミングはたった一つ。
退職強要をした時期は、前期試験の数日後です。
理由は「一部の試験の成績が悪く、必要な最低点にすら満たない科目があったから」だったんです。
多分、教官達の決まり事として、試験で赤点を取った者には、気合入れのために一度は強烈に退職強要をする、という暗黙のルールがあったのでしょう。
もしかしたら、そう規定されているのかもしれません。
このタイミングで、別クラスの同期も点数が悪くて退職強要をされたと言っていました。
わたしの担任教官が退職強要をしたのはそれっきり。
あとは卒業まで全力でわたしのクラスの学生を守ってくれました。もちろん、わたしも含めてです。
マジで感謝しかありません。
でも、片や隣のクラスは違いました。
入校早々数人が離脱。
前期試験に至る前から特定のA君のうわさが耳に入ります。
「A君、担任に辞めろって言われてるんだってよ」と。
確かに、A君の失敗のためにクラス中が連帯責任として腕立て伏せをしていたりしていた光景を何度も見たことがあります。
どのような理由でA君が不適格であると判断されたのかわかりませんが、結局、前期試験の成績が振るわなかったことを理由に「規則に則り強制解雇」されました。
そう、強制解雇というのは警察学校規則でそうできるように定められています。
教官からすれば、退職強要をいくらしても辞めない学生を追い出す大義名分として、A君の試験成績が悪かったことが幸いしたのでしょう。
その他の例です。
卒業間際の卒業旅行の際、わたしの担任教官が同じクラスであまりパッとしないタイプのB君に向かってこう言いました。
「お前、ウチのクラスで良かったな。隣のクラス(A君のクラス)だったら、お前は間違いなく辞めさせられてたぞ。だって、〇〇教官(Aの担任)、いつだったかお前のこと『ありゃマジでひどいですね』って言ってたことあったもんな~」と。
つまり、こっちの教官のクラスでは卒業できても、別な教官のクラスでは退職強要される可能性があるというほど、退職強要を行う基準はアバウトだということです。
結論:警察学校では、未だに退職強要が行われており、退職強要が積極的に行われる理由は、基本的に「担任教官がその学生を『警察官として不適格』と判断したから」の一つだけである。
ただし、例外として退職強要をされにくい人と言うのは存在します。
柔道剣道の指導者枠を受験して合格した人や、語学枠などの特別枠を合格してきた人たちは、希少性が高いために辞めさせない傾向にあると思います。
さらにはその期のまとめ役の「総代」、クラスのまとめ役の「副総代」なんかは、期の運営に支障をきたしますので、その人たちも可能性としては薄いと思います。
このように、教官から目を付けられ、ほぼ強制解雇に近い状態で辞めさせられるというのが実際に行われています。
「警察官クビになったブログ」のハルオサンの実例もこんな状態です。
ただ、ハルオサンの話が全て事実だったとしたら、一番ひどいのは同期ですね。
同期が同期を殴るなんてやりすぎだ。何があっても守ってやらなきゃ。
では、どのようなことが教官の目に止まり、不適格と判断されるのでしょうか。
次はこのことについて考察していきます。
実際にわたしは警察官として勤務をしていましたが「こんな警察官がいたらマズイべよ!」って思う特徴を紹介します。
教官も「こんな奴が警察学校を卒業したらマズイ!」と感じるから退職を勧めるわけですからね。
【コミュニティ障害またはそれに近い状態】
まずは、「コミュニティ障害」です。他人との関わり合いが必須事項の警察官にとって、他人と関わることでパニックになったり、極度に緊張・不安になったりする人が警察官になったらメチャクチャまずいです。
だって、警察官は基本的に「対人」の仕事です。
「人の行動」によって引き起こされた犯罪を捜査し「人である犯人」を捕まえ「人である犯人から供述調書などを取り」時によっては裁判所に出廷して証言をする、なんていうこともあります。
犯罪の捜査だけでなく、地元の公民館に行ったりして地域の皆さんを相手に防犯講話なんかをすることだってあります。
人と話せない、極度に緊張し不安になってしまう、というのは、訓練次第である程度改善できますが、いくらやっても改善しなかったら警察官には向かないと思った方がいいです。
【勉強しても覚えられない/指示が理解できない】
警察官の仕事は全て、憲法をはじめとする各種法令によって定められていて、その時とるべき行動一つ一つが決められています。
人を逮捕する場面に至っても、コイツを現行犯逮捕できるのか、いや、要件に合致しないから緊急逮捕じゃないとダメ。ほんとにそう?準現行犯逮捕でいけんじゃね?いや、やっぱり全部だめ、任意同行して通常逮捕だ。
なんていう具合で、刻々と変化する現場でその時最善の判断をしなくちゃいけません。
勉強しても覚えられない、何度言ってもわからない、指示が理解できない、伝わらないって言う人が警察官になったら、誤認逮捕してしまったり、取るべき行動を取らなかったがために国民の身体、生命、財産に損害を与えてしまう可能性だってあります。
警察学校の試験の点数が悪かったり、幾度となく退職勧告をされたにも関わらず意地で続けて卒業した、という人は、そういうことをしてしまうリスクがある、ということです。
主にこれらの特徴により、教官に退職勧告されてしまった人やこれらの特徴に合致していると感じている人は、申し訳ないですがその先の苦労が見えてますので、自分のためにもリタイアした方がいいです。
それが自分の未来を守ることになると思います。
かなり不安になってしまいましたか?
でも大丈夫!
「他人との協調性があり」「勉強・訓練を全力でこなし」「明るく振る舞い」「素直」であれば警察学校ではうまくやっていけます。
我慢の連続ですが、警察学校の教官だって人の子、人の親です。
頑張れ!
応援してます!
以上でーす!
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