
今回は、皆さんのかなり身近でかなり頻発している犯罪の代表格のご紹介!
はい、それは「自転車盗」です!つまり自転車泥棒です。
自転車盗は、読んで字のごとく、自分の管理下にある自転車が誰かに盗まれてしまうという窃盗罪です。
この記事では、万が一自分の自転車が盗まれてしまったと仮定して、その時の対処法と予防策を伝授します!
意外と知らない人が多いと思いますので、知っておいて損はありませんよ!
この記事はこんなお話
自転車が盗まれてから返って来るまでの流れ
あなたはいつも、仕事に行くため自宅から最寄り駅まで自転車で移動し、そこからは電車を使って職場に向かっています。
自転車を置くところは、駅の中に有料駐輪場もあるのですが、お金を払うのが嫌なので、道端の駐輪禁止の場所にみんなに紛れて駐輪しています。
自転車には面倒なので鍵をかけていません。
これまでに自転車を盗まれた経験はありません。
ある日、仕事が終わって駅に着き、自転車を探しましたが見当たりません。
あれ!?盗まれた!?
さて、こんな時どうする!?
自転車の施錠や駐輪禁止への注意は後程として、まずは盗まれたとわかった時の対処法について説明します。
警察に被害届を出す準備をしよう!
あなたの自転車が盗まれてしまった場合、あなたがその自転車に施錠していなかったり、駐輪場じゃない場所に止めていたとか、あなたに過失があったとしても、あなたは自転車盗の被害者という位置付けになります。
泥棒被害の被害者である以上、警察に被害届を出すことができます。
元警察官の経験から言うと、盗まれた自転車は、遅かれ早かれどのような状態になったとしてもどこかで見つかる可能性が高いです。
もちろん見つからないこともありますし、最悪、ズタボロの状態で発見されることもあります。
その発見を早めるためにも、警察に被害届を出すことが大事です。
では、どうやって警察に被害届を出したらいいの?ということですが、後程、最寄りの交番で出してもらうことになります!
もしくは自宅から110番通報してもらっても結構です!
一番やめてもらいたいのは、「盗まれたと気づいた段階で110番通報したりすぐに交番に行くこと」!
え?なんで?って思いませんか?
これには理由があります。
自転車盗の被害届を受理するには、原則として盗まれた自転車の「防犯登録番号」と「車体番号」を証明する書類が必要になるからです!
この書類が何かっていうと、自転車を買うと、原則として警察の防犯登録をすることが義務付けられています。
500円くらい払って加入するアレです。防犯登録をすると、その番号が書かれた控えが渡されます。
それと、自転車を買った時についてくる自転車の保証書に車体番号が書いてあります。
この二つの書類が必要になるんです。
似たような色、形が非常に多い自転車の中から対象の自転車を見つけるには、この2つの番号を確認して見つけることになるんです。
盗まれたと気づいた段階で110番通報されたり交番に来られると、「一度書類を自宅で探してからまた来てください」って二度手間になる可能性があります。
もちろん、この2種類の書類が無くても受理することはできるのですが、それだと「防犯登録番号」と「車体番号」の欄が当然空欄となってしまいます。
そうすると、警察がその自転車を見つけた時にその自転車が盗まれた自転車だとは分からず、返還対応に確実に遅れが生じます。
なので、可能であればこの2種類の書類を探して用意しておきましょう。
ここがポイント! 警察に頼むと自転車は意外と見つかる!被害届を出す準備をしよう!
準備するもの➊:「自転車を買った時に加入した「〇〇県警防犯登録番号」がわかる書類」
準備するもの❷「自転車を買った時に渡された「自転車の車体番号」がわかる書類」
*書類が見つからなければ、これらの番号はわからなくても最悪受理はできる!
警察に被害届を出そう!
上の2種類の番号がわかる書類を用意したら、交番に行くか自宅から110番通報をしましょう。
警察官に「自転車盗まれました」って伝えると、乗り物泥棒用の「被害届」を作成してくれます。
警察官には、免許証や学生証などの身分証を見せ、自分の氏名住所等や、自転車の特徴、防犯登録番号、車体番号、盗まれた場所を正しく伝えましょう。
警察官に盗まれた場所の案内を求められたときは、応じて下さい。
被害届には、「朱肉を使うタイプのハンコ」が必要になりますので、持って行きましょう。
その辺の100均で売ってるもので十分です。
ここがポイント! 警察に被害届を出そう!
準備するもの➊「免許証や学生証などの身分証」
準備するもの❷「朱肉を使うタイプのハンコ(三文判でOK)」
ハンコが用意できなければ、指印を押すことになります!
被害届を出すと、警察が色々捜査したりします!
被害届を受理すると、警察官はその被害場所付近に防犯カメラがあるかを確認し、防犯カメラがある場合は被害日時付近の画像を精査します。
犯人の犯行の一部始終が移っていることも、犯人の顔がはっきりと映っていることもあります。
また、被害届の情報は当然警察内部で共有されますので、警察が日常的に扱う「放置自転車」や「自転車運転者に対する職務質問」時にも活用されます。
ここがポイント! 被害届を出すと、被害場所付近を警察が捜査したり、被害情報を共有したりする!
警察から「自転車が見つかったよ!」と連絡が来る!
遅いか早いかは様々ですが、警察が盗まれた自転車を発見すると、被害者に連絡をします。
警察が盗まれた自転車を見つけるきっかけとなるのが、「自転車運転者に職務質問したところ、盗まれた自転車を乗っていたので窃盗罪または占有離脱物横領罪で検挙した」というものや、「一般市民からの放置自転車の通報」が一般的です。
警察から「自転車が見つかった」と連絡が来たら、その自転車を保管している警察署なり交番で自転車を受け取りましょう。
その際、また身分証とハンコが必要になるので、持って行きましょう。
自転車の返還を受ける際、「この自転車はわたしの自転車で間違いありません。確かに受け取りました」という内容に一筆書いてハンコを押すことになります。
犯人が捕まった場合は、犯人の氏名等を警察官から教えてもらえます。
盗まれた自転車に破損があり、犯人が壊したと認められれば、損害賠償請求をすることができます。当然ですね。
自転車が見つかった段階で、犯人が見つかろうと見つかるまいと、その自転車に掛けられていた手配は解除になります。
ここがポイント! 警察から自転車発見の連絡が来たら、自転車を保管してる警察署や交番に自転車を受け取りに行こう!
準備するもの➊「免許証や学生証などの身分証」
準備するもの❷「朱肉を使うタイプのハンコ(三文判でOK)」
自分で自分の盗まれた自転車を見つけちゃったときはどうする?
意外と多いのがこの事例。
「被害届を出したけど実は盗まれてなくて、駅の係員に別な場所に移動されてただけだった」とか、「盗まれたけど偶然に見つけた」というパターン。
この時も、最寄りの交番に行って、「一度この盗まれた自転車を警察に提出します。(警察が受け取りました。)この自転車はわたしの自転車で間違いありません。この自転車を確かにわたしが受け取りました。」という内容の書類に一筆書いて返還を受ける必要があります。
なんで自分で見つけたのに警察に言わないといけないかというと、被害届を出した時点で、盗まれた自転車には手配が掛かります。
手配が掛かった自転車をあなた自身が乗っていれば、万が一警察官に職務質問されたとき、「あんた、盗まれた自転車乗ってるね?」って疑われてしまうんです。
だって、手配が掛かってるんですから。
さらにそんな自転車を友達に貸してしまってた日には、友達が自転車泥棒の疑いをかけられてしまいます。
そうならないために、自転車の手配を解除する必要があるんです。
この時も、身分証とハンコを持って行きましょう。
ここがポイント! 盗まれた自転車を自分で見つけた時も、警察に「自転車見つかったよ」って伝える必要がある!
準備するもの➊「免許証や学生証などの身分証」
準備するもの❷「朱肉を使うタイプのハンコ(三文判でOK)」
被害届を出さないと盗まれた自転車って帰ってこないの?
とてもいい質問です!
被害届を出さずに泣き寝入りしても、警察が見つけてくれることがあります!
見つけてくれる方法は、上に書いた通り、職務質問や放置自転車の取り扱いをしたときなどです。
ただし、この場合は「お宅の自転車、〇〇にあるんですけど、放置しました?」とか「お宅の自転車盗まれてませんか?」と聞かれると思います。
被害届を出されていない自転車の場合、警察では「泣き寝入りして被害者が被害届を出してない自転車」か「そこに止めて回収し忘れた」か「不法に投棄したか」と推測します。大体は一番最初の被害届を出していない自転車だと判断しますけど。
この場合、原則その場所まで行ってもらって回収してもらうことになるか、保管してくれている交番などに取りに行ってもらうことになります。
そして、書類の類は一切取りません。だって、被害届を出してもらってないので。
と、このような扱いになります。
自転車が盗まれないようにするための予防策
そもそも、所有する自転車をしっかり管理していれば、盗まれる確率は激減することになります。
あなたにとって大事な自転車であれば、盗まれないように具体的な対策を行いましょう。
駐輪禁止場所への駐輪は厳禁!然るべき駐輪場に止めよう!
駅前などの駐輪禁止場所に自転車が無断で大量に駐輪されている光景を見たことが無い人はいないはず。
あれは百害あって一利なしです。
強制撤去されかねませんし、管理されてる駐輪場よりも圧倒的に盗まれる確率が上がります。
多少お金はかかっても然るべき駐輪場を契約して駐輪した方が、管理人も常駐しているところも多いし、万が一そこから盗まれても防犯カメラがある可能性が高くて比較的安全です。
ちなみに、市役所とかから自転車が強制撤去された場合、返還を受けるのに数千円かかります。
自転車にはなるべくたくさんの鍵を付けよう!基本は二重ロックで頑丈な鍵!
自転車が盗まれないようにするには、物理的にその自転車を走れなくしてしまう方法、つまり鍵をたくさんつける方法が最も効果的です。
犯人は、自転車がずらっと並んだ駐輪場や路上から、手っ取り早く盗める自転車を探しています。
「その自転車目当て」で無い限り、一台一台の自転車に固執することはありませんので、スルーされる確率が上がります。
そうは言っても、日々自転車泥棒を繰り返しているバカたれもいますので、そういう手慣れた奴は、鍵を壊すための道具を持っていることがあります。
いくら施錠をしていても、簡単に壊せる鍵なら壊してしまうんです。
どういうものが壊されやすいかというと、こういうカギです。
よく目にする鍵ですね。自転車の後輪についてますよね。
こんなものは、犯人から見れば鍵が無いのと同じなんです。
鍵穴や隙間からドライバーなんかを突っ込んで、グリグリ回せばすぐ壊れます。
マジで瞬殺レベルです。
では、どういうのがいいのかと言えば、もちろん壊されにくくて切断されにくい物です。
自転車を盗む犯人の心理とは!?
一番最初に書いた通り、わたしが警察官だった頃、自転車泥棒というのは一番身近な存在でした。
自転車盗って、数ある窃盗罪の中でも飛びぬけてその発生件数が多いんです。
それだけ犯行を行う事への罪悪感が少なく、自転車泥棒の犯人の多くが「犯罪に手を染めてる」という感じがしないんだそうです。
いざ犯人を捕まえて話を聞くと、
・家に早く帰りたかったから自転車を盗んだ
・自分の自転車が盗まれてたから、盗まれた自転車の代わりになる自転車を探して、自分も盗んで乗っていた
と、非常に身勝手な理由ばかりです。
こんなバカたれに自分の自転車をいいように利用されないためにも、自分の自転車くらい自分で管理しましょう。
とくに首都圏や都市部に住んでいる人は、自転車を利用する割合が非常に高いです。
自転車は高いものです。盗まれないような対策を取りましょう。
そして万が一盗まれても、十分に見つかる可能性はありますから、諦めずに警察に被害届を出しておきましょう。
最後に、自分では絶対にこんなバカな犯罪に手を染めちゃだめですよ!?
その人の犯罪経歴として死ぬまで残りますからね!
以上でーす!