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けたろー
こんにちは!元POLICEMANのけたろー(@ketaroou)です!

ポコ
ポコだっポ!今回は、警察官による泥酔者の保護についてのお話だっポよ!

 

あなたは、べろんべろんに酔っぱらって道端で寝てしまったら警察官に保護されてしまうという事実をご存知でしょうか?

 

警察官には、精神疾患者やら泥酔者やら負傷者やら迷子やらいわゆる「困った人・困っている人」を保護できる権限が与えられています。

 

今、日本の繁華街の裏側では毎日のように「警察官による泥酔者に対する保護」が行われており、数多くの泥酔者の生命・身体・財産が守られているのです。

 

ですが、なかなか警察官による泥酔者の保護事案は表沙汰にならないので、そんなことを知る機会はあまり無いと思います。

 

そこで今回は、「警察官による泥酔者の保護」にスポットを当て、どのような条件で保護対象となり、保護されればどのような経過をたどるのかというところを実体験を交えて詳しく説明して参ります。

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警察官が行う、泥酔者に対する「保護」とは

警察官が泥酔者に対して行う「保護」と言う行為は、警察官の職務について規定した「警察官職務執行法」という法律でしっかりと明記された正当な行為です。

 

保護の目的は目的は「被保護者の生命・身体の安全の確保」が最たるものであり、それに付随するものとして「被保護者が巻き起こす可能性のある周囲への悪影響の防止」のためです。

 

具体的な法的根拠として下記のとおり示されています。

警察官職務執行法第三条:保護
警察官職務執行法第三条:保護
 警察官は、異常な挙動その他周囲の事情から合理的に判断して左の各号の一に該当することが明らかであり、且つ、応急の救護を要すると信ずるに足りる相当な理由のある者を発見したときは、とりあえず警察署、病院、精神病者収容施設、救護施設等の適当な場所において、これを保護しなければならない。
 一 精神錯乱又はでい酔のため、自己又は他人の生命、身体又は財産に危害を及ぼす虞のある者
二 迷い子、病人、負傷者等で適当な保護者を伴わず、応急の救護を要すると認められる者(本人がこれを拒んだ場合を除く。)
2 前項の措置をとつた場合においては、警察官は、できるだけすみやかに、その者の家族、知人その他の関係者にこれを通知し、その者の引取方について必要な手配をしなければならない。責任ある家族、知人等が見つからないときは、すみやかにその事件を適当な公衆保健若しくは公共福祉のための機関又はこの種の者の処置について法令により責任を負う他の公の機関に、その事件を引き継がなかればならない。
3 第一項の規定による警察の保護は、二十四時間をこえてはならない。但し、引き続き保護することを承認する簡易裁判所(当該保護をした警察官の属する警察署所在地を管轄する簡易裁判所をいう。以下同じ。)の裁判官の許可状のある場合は、この限りでない。
4 前項但書の許可状は、警察官の請求に基き、裁判官において已むを得ない事情があると認めた場合に限り、これを発するものとし、その延長に係る期間は、通じて五日をこえてはならない。この許可状には已むを得ないと認められる事情を明記しなければならない。
5 警察官は、第一項の規定により警察で保護をした者の氏名、住所、保護の理由、保護及び引渡の時日並びに引渡先を毎週簡易裁判所に通知しなければならない。

 

上記の法的根拠は非常に難しい言い回しになっていますが、超簡単に申し上げると・・・

 

警察官は、酒に酔ってべろんべろんの状態の泥酔者を発見した場合、その人に適当な付添人等がいなかったり、泥酔しすぎて動けない状況であったり、または発見時にその人が暴れているなど特殊な事情があった場合に、その泥酔者をに保護せずにそのままその場所に放置した場合、他人様に危害を加えてしまうとか、泥酔者本人に危害が及んでしまう危険性が認められるのであれば、強制的に泥酔者を警察署などの警察施設で一時的に保護しなければならない

 

と言うことです。

 

さらにちょっと難しいことを申し上げると、警察官は泥酔者を発見した場合に、この泥酔者を「保護することができる」のではないのです。「保護しなければならない」のです。

 

「保護することができる」という言い回しだと、「保護しても保護しなくてもよい」と捉えられ、その泥酔者を警察官が保護するかどうするかはその時の警察官の裁量次第であるということになりますが、上記の法的根拠は違います。

 

「保護しなければならない」という言い回しのため、警察官職務執行法第三条第一項の条件を満たした泥酔者を発見した場合、警察官はその泥酔者を「絶対に保護しなければならない」のです。

 

万が一、保護すべき泥酔者を発見したのにこれを無視し、その後泥酔者の身体生命に危険が生じてしまった場合は、警察官の職務責任を問われて国賠訴訟に発展する可能性すらあります。

 

泥酔者の保護の流れ

それでは、警察官が泥酔者を保護する際の流れを具体的に説明して参ります。

 

保護の必要性を判断する

警察官がパトロール中や110番通報などにより泥酔者を取り扱った際は、まずは「保護の必要性」を判断することになります。

 

泥酔者に対する保護の必要性を判断する上で着目するところは・・・

 

・この泥酔者を保護せずに放っておいた場合、この泥酔者が一般人に絡むなどの問題行動を起こし、他人様の身体・生命・財産に危害を与えてしまう危険性は無いか

・この泥酔者を保護せずに放っておいた場合、この泥酔者が自分自身を傷つけたり、道路などの危険な場所に寝転んだりしたり、又は熱帯夜や冬期、降雨や積雪の影響などにより泥酔者自身の身体・生命・財産が危険にさらされる可能性は無いか

 

・この泥酔者には然るべき保護者(同行者・付添人)はいるか。または保護者の言うことを理解し、一人で勝手に行動する可能性などは無いか

などに着目し、警察官による保護が必要かどうかを判断します。

 

保護開始の宣言

警察官がその泥酔者を保護すると決断した際は、「〇時〇分、保護開始!」と保護開始の宣言をします。

 

この時間が保護の起算点となります。警察官による保護は、警察官職務執行法第三条第一項に規定されているとおり「24時間をこえてはならない」となっていますので、その時間から翌日の同時刻までの間、警察官の判断でこの泥酔者を警察施設にて保護しておくことができます。

 

強制的にパトカーに乗せる

警察官が泥酔者に行う「保護」とは、任意ではなく強制なので、保護着手後に泥酔者が暴れた場合は「強制力」を用いてこれを封じ込めることができます。

 

警察官は、泥酔者を保護する際には、相手が素直に言うことに従えば穏やかにパトカーの後部座席に乗ることを勧めますが、泥酔者がごねたり暴れたりしているような場合は必要最低限の実力行使(つまり「力づく」)を用いて相手をパトカーの後部座席に押し込みます。

 

そして、泥酔者が車内で暴れたり危険な行動を取ったりしないように、必ず警察官が隣に乗り込みます。万が一泥酔者が車内でも暴れるような場合は、必要最小限の範囲内で手錠を用いて相手の両手を拘束し動けないようにすることも可能なのです。手錠をかけないまでにしても、相手の手足を掴み抑えて動けなくすることは可能なのです。

 

その様な状態で保護した場所を管轄する警察署まで泥酔者を移動させます。

 

警察署内の保護房に押し込む

保護された泥酔者は、パトカーに乗せられ原則として警察署に連れていかれます。

 

警察署には「保護房」という鉄枠に囲われた牢屋のような場所があり、保護された泥酔者はそこに入れられることになります。

 

保護房に入る前に、保護に関する強制力を用いて被保護者の持ち物を全て没収し、衣服のポケットの中を確認したり、ベルトなどのひも状のものを外したりして、自殺防止やけが防止に努めます。

 

保護房に被保護者が入房している間は、被保護者は警察官による監視下に置かれます。

 

警察官による所有物の確認

泥酔している被保護者を保護房に入れる前に、警察官は強制力を用いて被保護者の全ての持ち物を徹底的に確認します。

 

例えば、お金だったら千円札が何枚、百円硬貨が何枚と言った具合で、一つ一つ具体的に確認して保護時に作成する書類に全て記載します。

 

この時、所持品の確認は複数の警察官により行われるのが基本ですから、保護解除後「警察官に持ち物を盗まれた」なんていう文句・苦情の類は通用しません。

 

酔いがさめるまで休ませる

保護房に被保護者を入房させた後は、被保護者の酔いが完全にさめるのを待ちます。

 

保護房に入れられた泥酔している被保護者は、大体横になって寝るか、又は大声を出して暴れるかのどちらかです。

 

万が一、保護房に入れられている被保護者が具合悪いことを訴えた場合などは、状況に応じて病院を受診させることになります。

 

身内等の身柄引受人を呼び、保護解除

警察官による警察施設への一時的な保護は、原則として「24時間を超えない範囲で行うこと」というのは前述したとおりです。

 

泥酔している被保護者の酔いがさめ正気を取り戻したら、被保護者の家族等の「身柄引受人」を呼び、所定の用紙に「保護された○○の身柄を確かに引き受けました」という旨を署名し、保護解除となります。

 

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一言で「泥酔者」と言っても、様々な形態がある

わたしが現職だった頃、泥酔者の保護と言う案件は数えきれないほど扱いました。

 

酒を飲みすぎて人気のない道端で横になって寝ている者、泥酔して通行人に暴言を吐いていたりする者、一人でブツブツ言いながら徘徊している者など、一言で泥酔者といっても様々な形態があります。

 

その人のアルコール耐性により、意識がもうろうとしている泥酔者もいるし、意識がはっきりとしているけど体が言うことをきかないという人もいます。さらに体は言うこと聞くけど言ってることが意味不明と言う人もいます。

 

そんな泥酔者の中には、何度も何度も警察官の世話になる常習者が存在します。

 

大体どこの警察署の管内にも「酔っ払いの常習者」が一人や二人は必ずいるものです。わたしが保護していた泥酔常習者も、何度も何度も会ううちに顔見知りになったりしてしまっていました。

 

「またお前か」と言う状態で、本当に「お前とっとと病院行って治療しろ」というレベル。

 

顔見知りになるうちにワガママになって行ったり、警察官を友達だと勘違いしてか小突いてくる奴もいました。そういう奴には問答無用で「おら!お前次やったら公務執行妨害で現行犯逮捕するぞ」という脅しをくれてやってました。泥酔者は正しい判断ができませんから、そうでもしないと泥酔者の狂行はエスカレートしてしまうのです。

 

おわりに

警察官が泥酔者に対して行う「保護」について、よく理解していただけたと思います。

 

覚えておいてもらいたいことは、泥酔して警察に保護されるという人は、純粋に「自分の管理すらできない出来損ない」だということ。

 

自分がどれだけの量の酒を飲んだら潰れてしまうのか、適量を知っておくことも大人として重要なことです。もっと大切なことは、酒を飲んでも飲まれるなと言うことです。

 

また、警察に保護されるということは、自分のステータス上でもマイナスに働きます。保護されたことが見知らぬ第三者に知られることはありませんが、それでも身柄引受人となる家族とかの近しい人には「アンタ一体何やってんのよ」と白い目で見られることでしょう。もちろん自分の記憶にも残りますね。

 

職業面でも問題が起きる可能性があります。例えば警察官である者が泥酔して同業である警察官に保護された場合、保護された警察官は後日何らかの処分を受けることになります。

 

警察官でなくても、国民の見本となるべき職業の人などが泥酔によって保護されてしまった場合、例と同じように何らかの処分を受けてしまう可能性だってあります。

 

タバコと一緒で「百害あって一利なし」なのが泥酔による保護事案なのです。よく覚えておきましょう。

 

以上でーす!

 

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