
今回は、元POLICEMANであるわたくしけたろーが「魔が差して行ってしまう犯罪」の代表格である、「銀行ATM内の取り忘れている現金を盗んじゃう行為」について、詳しくお話をします!
銀行ATM、あなたはよく使いますか?
ATMは銀行などの金融機関のみならず、今や大手コンビニならどこにでもあり、町中に溢れていますよね?
もし、あなたがATMを使おうとしたとき、前の人が取り忘れたであろう現金がその中に入っていたとしたら??
もしあなたがATMを使おうとしたとき、前の人が現金を封筒に入れてATM脇に置き、そのまま忘れてちゃってたとしたら??
人はふとしたことから「魔が差す」イキモノです。
悪いと思っていながらも、目の前に置き忘れてあるちょっと大きな額の魅力的な現金。
これだけの額があれば、ちょっと高価なイイモノが買える!
さっと手を伸ばし現金をつかみ、ポケットに入れる。
ちょっと待って!その行為、犯罪ですよ!
さて、そんな銀行ATMに関する窃盗事案について、詳しいお話と対処法をあなたに伝授いたしましょう!
この記事はこんなお話
銀行ATMから置き忘れの現金を盗む行為、それは何罪?
銀行ATMの中に置き忘れられた現金を魔が差して持ち帰ってしまう、つまり盗んでしまう行為は、窃盗罪の類に該当します。
「類」という一文字を付けたのは、「窃盗罪」になるかもしれないし・・・
窃盗罪とは似て非なる「遺失物等横領罪」になるかもしれない・・・
と言う事です。
遺失物とは、超簡単に言うと「意図せずに無くしてしまったもの」ということです。
窃盗罪と遺失物等横領罪、何がどう違うのか簡単に言うと・・・
前のATM利用者が現金を引き出したが、現金を取り出すことを忘れて数mほど立ち去り、ATMの順番待ちをしていた次の人がその現金をポッケにしまっちゃう行為は窃盗罪です。
これに対し、
前の利用者が現金を引き出したが、現金を取り出すことを忘れてそのまま銀行を離れて別な場所に行き、その後結構な時間が経ってATMに来た次の人がポッケにしまっちゃう行為は、遺失物等横領罪です。
この二つの罪のどちらになるかは、事案ごとに違うでしょうから一概には言えませんが、一般的に
現金の占有が所有者にあるかないか、立ち去った所有者と現金との距離的に離れているかいないか、現金の存在を忘れてしまっているかいないか、などで総合的に判断されます。
別に、この記事で難しく詳しく説明する気はないので、
「ふ~ん、そうなんだ」
くらいに感じておいてもらえれば結構ですよ!
犯人はあっという間に特定される!
よく考えればすぐわかると思いますが、犯人はあっという間に特定されます!
だって、ATMが常時録画してるんですから(笑)
ATMに付いてるでしょ?カメラが(笑)
この犯罪の怖いところは、現金の魅力に負けてカメラの存在を一時的に忘れてしまうんですよね。
だから、現金を持ち帰って我に返ると「あ!やべ!カメラあったじゃん!」と焦ることになる。
ATMのカメラには、犯人の顔はもちろん、犯行の一部始終がすべて記録されたうえ、犯行時にATMを使用していたもんならその履歴もバッチリ残っています。
そしてその履歴をたどれば、その犯人はどこの誰かなんて言うのは一瞬で分かっちゃうんですね!
このようにして、置き忘れの現金泥棒は捕まることになるんです。
もし、銀行ATMから置き忘れの現金を盗んでしまった時は、どうしたらいいの?
あなたがもし、銀行ATMに置き忘れてあった現金を見つけてそれを盗んでしまった場合、最優先にしてもらいたいことがあります。
それは「自首」です。
真っ先に最寄りの警察署に自ら出頭し、罪を告白しましょう。
この「自首」って、しっかり法律に明記されている正当な手段であり、犯人にとってプラスに働くことが多いのです。
ね??
「刑を」「減刑することができる(してもらうことができる)」のです!
ただしこの場合、過去の判例上、
● 犯罪事実は発覚しているが、その犯人が誰であるか全く発覚していない場合
に、自首が成立するとしています。
何で刑が減刑されるのかというと、自分から自らの罪を申告することで、「反省しています」という意志があると捉えられるからです。
何の事件でもそうですが、反省していない犯人だったら絶対に自首なんてしませんもんね。
そして、一番やっちゃいけない事が、警察から連絡が来た時に
「え?なんのことですか?知りませんよ?」
としらばっくれること。
今回のような犯人がすぐ特定できる事件で警察から連絡が来るということは、警察はあなたが犯人であるということをすでに特定しているんです。
それにもかかわらずしらばっくれるということは、
「逃走の恐れがある」
「証拠隠滅の恐れがある」
とみなされます。
あ、これ、逮捕の要件です。
そう!!行きつく先は「逮捕」です!!
しばらくたった後、刑事さんが逮捕状を持ってあなたの家を訪ねてくることでしょう。
もし、銀行ATMに置き忘れの現金があったらどうしたらいいの?
もし、あなたが銀行ATMを利用して、前に使用した人が置き忘れたであろう現金を発見した場合は、速やかに
銀行(コンビニATMであればコンビニ)の人に忘れ物として届けましょう!
この時に忘れていけないのが、しっかりと自分の住所氏名、電話番号などを銀行側に伝え、「このお金を警察に届けた時、私にもお礼の権利が欲しいので、そのように手続してください」と伝えること。
落とし物(遺失物)を警察に届け、その落とし物が正規の持ち主に返還された場合、持ち主は拾った人にお礼をしなくちゃいけないという義務があります。
遺失物法という法律に明記されており、なかなか複雑なのですが、お店などの施設の中で拾われた落とし物に対するお礼の権利は、お店側と拾った人が半々もらえることになるんです。
お礼は、落とし物の総額の5%から20%の間で支払われることになるため、その半分があなたに入ることになります。
お礼はせっかくなのでいただいておいた方がいいですよ!
無人ATM内で発見した場合は、速やかに最寄りの警察署、交番、駐在所に届けましょう。
お礼の権利は、警察側が施設管理者に連絡を取って処理してくれますのでご安心を。
落とし物の話はさておき、他人様の落とし物(忘れ物)を発見した時には、きちんとした手続きを取りましょう。
間違っても、他人様の物を盗んでしまってはいけません。
たとえそれが1円だったとしてもいけません。
もし銀行ATM内に現金を置き忘れ、盗まれた場合はどうしたらいいの?
もしあなたが何かの用事で焦っていて、銀行ATMで現金を下ろしたのだけれど、キャッシュカードと明細書のみ抜き取って現金を忘れ、取りに戻ったけどそれが無くなっていたという場合はどうしたらいいのでしょうね?
そんな場合は、まずその銀行窓口(コンビニなら店員さんに)に落とし物として届いていないか確認しましょう。
届いていなかった場合は、防犯カメラを見てもらいましょう。
おそらく、自分には防犯カメラ映像は見せてもらえないでしょうから、まずは行員さんのみに見てもらいましょう。
誰かが盗んでいる様子が移っているのであれば、速やかに110番通報をして警察を呼びましょう。
警察官が到着したら事情を説明し、それが窃盗事件であると判断されたならば「被害届」を出して犯人に対する処罰意思を明確にして、実況見分、鑑識活動を行ってもらいましょう。
窃盗事件ではなく「遺失物等横領事件」であると判断されたならば、被害届ではなく「遺失届」を出して、後の捜査を警察に任せることになります。
まあ、その辺は警察官の指示に従ってもらえれば如何様にでもなりますのでご安心を。
この手の事件は、先ほどから何回も申し上げているとおり、確定的な証拠が残りやすいものですから、犯人もすぐに捕まるケースがほとんどです。
犯人が捕まったら、もちろん盗まれた現金を耳を揃えてきちんと返していただきましょう。
おわりに
現金は誰にとっても魅力的なものです。
目の前に誰かが置き忘れた現金があれば、つい手を伸ばしたくなってしまう気持ちもわかります。
でも、それをすることで逮捕されたり、前科が付いたりする可能性だって十分すぎるくらいあるんです。
それよりも何よりも、あなたの人としての価値を下げることになります。
困ったときはお互い様!
銀行ATMに置き忘れの現金があった場合は、人助けのつもりで落とし物として銀行窓口や警察に届けてあげませんか?
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