直接殴られなくても「暴行罪」になるケースがある!自分を守るため知識を得よう!
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けたろー
こんにちは!元POLICEMANのけたろー(@ketaroou)です!

ポコ
ポコだっポ!今回は、暴行罪に該当する様々なケースについてお話するっポよ!

 

今回は、暴行罪について少し突っ込んだお話をしていきたいと思います。

 

暴行罪とは、刑法第208条に規定された犯罪行為であり、一般的に「殴られた場合にケガをしなかったら暴行罪になる」と理解されています。

 

刑法第208条:暴行罪
暴行を加えた者が人を傷害するに至らなかったときは、二年以下の懲役若しくは三十万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。

 

殴られるという行為は、難しい言い方をすると「身体に対する不法な有形力(ゆうけいりょく)の行使」と言うことができます。そしてその結果、ケガを伴わなかった場合が「暴行罪」に該当してくるのです。

 

しかし実は、暴行罪は身体に直接的に力が加わらなくても(つまり殴られなくても)成立する場合が多々あるのです。

 

そこで今回は、身体に直接有形力が行使された結果暴行罪になるケースと、身体に直接的に力が加わらなくて暴行罪が成立するケースとを分けてそれぞれご紹介していきます。

 

さらに、暴行罪の知識を用いて悪質な嫌がらせを撃退する方法までご紹介して参ります。

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身体に直接力が作用して暴行罪となるケース

まずは、身体に直接的に力が作用して暴行罪となってしまうケースから説明して参ります。

 

暴行罪が成立する大前提として、あくまで相手に対して「不当に行われた」と言うことが前提ですから、例えばボクシングのように相手を殴るスポーツであったり、お笑い芸人が相方の頭をひっぱたいたり、伝統的なお祭りで相手をたたく必要があるなど、然るべき理由がある場合は「正当業務行為」や「伝統行為」となり暴行罪は成立し得ませんのでご理解願います。

 

殴られたけどケガをしなかった場合

相手を殴った結果、相手がケガをしなかった場合は暴行罪になります。これが一番暴行罪としては一般的なものです。

 

相手を殴る強さなどは関係なく、純粋に「相手を殴ったけど相手にケガはなかった」という場合は全て暴行罪になります。相手がけがをしてしまった場合は「傷害罪」という暴行罪よりも罪の重い犯罪になります。

 

相手の胸倉をつかむ行為

よくケンカでありがちなのが、相手を殴ろうとする前に威圧の意味を込めて相手の胸倉をつかむという行為です。

 

「相手をまだ殴っていないのだから暴行罪には該当しないのでは?」と思うかもしれませんが、相手の胸倉をつかんだ時点で既に「暴行罪」になります。なぜなら、喧嘩をしたり相手を威圧することを目的で「相手の胸倉をつかむ」と言う行為をしているからです。

 

これは立派に「不当な有形力の行使」になります。

 

さらに、相手の胸倉をつかんだ後に相手を威嚇することを言ったりすれば、暴行罪とは別に「脅迫罪」が成立する可能性もあります。

 

相手を押して転倒させる行為

相手を押してその相手が転倒してしまった場合も暴行罪に該当してしまいます。

 

この場合、例え相手を押す力がどれだけ弱くても、相手を転ばせるという不当な目的でなされる以上、暴行罪が成立します。

 

相手の上に馬乗りになる行為

正当な理由なく相手の上に馬乗りになる行為も不当な有形力の行使として暴行罪に該当します。

 

相手に馬乗りになるという行為は相手の動きを封じる役割もあるわけですから、その時点でその行為をする正当な理由などあるわけがありません。

 

相手の体又は衣服を引っ張る行為

手の体や衣服を引っ張っる行為も不当な有形力の行使として暴行罪に該当します。相手を引っ張るという行為はその角度によっては相手を転倒させてしまう可能性もはらんでいる危険な行為です。

 

ただし、例えば駅のホームで電車に飛び込もうとしている人を見つけて咄嗟に引っ張ってこれを救助したとかいう場合は、きちんとした理由がありますので暴行罪には該当しません。例えそれで相手がすっころんで負傷してしまったとしても何の罪にも問われることはありません。

 

相手の髪の毛などを許可なく裁断する行為

美容師や理容師が客の髪を切るという行為は、客の同意の上行われているためもちろん犯罪には該当しませんが、例えば夫婦げんかで夫が逆上して妻の髪の毛をハサミで切ったとか、その他の体毛を許可なく裁断したとかいうのであれば、それは立派な暴行罪に該当します。

 

相手の体を押さえつける行為

正当な理由なく相手の体を押さえつけ、相手の意志に反して動きを制限したりする行為も、相手の体に不当に接触していると言えますから暴行罪になります。

 

相手に物をぶつける行為

相手対して物をぶつける行為は、自分の体を使って相手の体に触れているわけではありませんが、他の物を相手に接触させたということから暴行罪に該当します。

 

例えば、喧嘩の末に相手に向かって皿を投げつけてぶつけたり、水をぶっかけたり、相手に向かって塩を投げかけたりする行為も全部暴行罪になります。

 

つまり、よくテレビドラマなどで男性が女性に何か最低なことを言って、それに女性が逆上して男性めがけて水やビールをぶっかける行為は、その後男性が女性を訴えれば暴行罪が成立して検挙対象になってしまうんですね。もちろん、その背景にある諸々の諸事情は絡んできますが。

 

身体に接触していないにもかかわらず暴行罪になるケース

さて、これまでお話してきたとおり、相手の身体に直接力を加える行為が暴行罪に該当するということは理解していただけたと思います。

 

続きまして、相手の体に一切接触していないにもかかわらず暴行罪になるケースを見ていきましょう。

 

相手に向けて物を投げつけたが命中しなかった場合

相手にぶつけるつもりで物を投げつけたけど、それが見事に外れて他の場所にぶつかったような場合、実際は直接的な身体接触はありませんがこれは暴行罪に該当することになります。

 

何故ならこれは、「相手に向かって危害を加えるつもりで物を投げている」からです。

 

「不当な有形力の行使」の「不当性」とは、相手つまり被害者に与えられた苦痛の有無や程度、行為の目的やその時の状況を総合的に判断して決められることになります。

 

つまり、加害者の行為によって被害者が「恐怖を感じた」「びっくりした」「不快に思った」といったマイナス心象が発生すれば不当性があるとして認定されるということです。

 

相手に対して危害を加える意志を持ち行動を起こしている時点で、たとえ相手に直接触れていなくても、不当な有形力の行使が行われたとして暴行罪が適用されると解釈することができます。

 

相手の直近に置かれた相手の所有物めがけて物を投げつける行為

相手の直近に置かれた相手の所有物めがけて物を投げつける行為も、たとえ相手に当たっていなくても暴行罪に該当してきます。

 

判例では、約2.7mの距離を隔てて机を挟んで対峙する被害者の左側方約30ないし50センチメートルの机の上に置かれたかばんを目がけて湯飲み茶わんを投げつける行為が暴行に該当すると判断されています。(大阪高判昭62.12.11ジュリスト916号判例カード245)

 

相手に向かって凶器を突き付けたり振り回したりする行為

相手に対して刃物等の凶器を突き付けたり、狭い室内で凶器を振り回したりする行為は暴行罪が成立します。

 

相手に向かって凶器を突き付けるなど、普段の日常ではまずあり得ない状況です。正当な理由があって相手に凶器を突き付けるような状況など有り得ませんので、この行為に及ぶこと自体が不当な有形力の行使です。

 

また、この時に相手を脅迫するような言動があれば、別途「暴力行為等処罰に関する法律」が成立し、その法定刑は暴行罪よりも重いものになります。

 

相に対してあおり運転をする行為

現代社会で社会問題と化しているあおり運転もまた、暴行罪の対象行為となります。

相手に危険を感じさせるほどの幅寄せ行為やあおり行為などのいわゆる危険運転は、相手を威嚇・威圧するために向けられたものであることに異論の余地はなく、「不当な有形力の行使」が成立するとして暴行罪に該当します。

 

また、あおり運転の場合、暴行罪で検挙されれば刑事罰の他、運転免許の所有に関しては「危険性帯有者」に認定され、免許証の点数如何に関わらず一発免停の行政処分がなされることになります。

 

相手に向かって大きな音を連続的に発する行為

相手の直近で何度も何度も繰り返し大きな音を立て、単に相手に不快感を起こさせるにとどまらず、相手の心身に異常をきたすほどの状況に至った際は、暴行罪が適用される可能性があります。

 

判例では、被害者の直近で大太鼓等を連打した結果、被害者が心身の不調を訴え、最終的に脳貧血を起こさせたりするなどの状況に至った件を暴行罪と認めたケースがあります。(最高裁判例昭29.8.20集8巻8号1277頁)

 

もちろん、相手の直近で大きな音を立てて相手の鼓膜が破れるなどの状況に至った際は、暴行罪ではなく傷害罪と認定される可能性も十分にあります。

 

相手に向かって光・熱・臭気などを浴びせかける行為

上記の音の場合と同様に、相手に向かって強烈な光や耐えがたいほどの熱気・冷気、さらには耐えがたいほどの臭気(悪臭)などを浴びせかけること(相手に向けてエネルギーを作用させること)により相手が心身に不調をきたすほどの状況に至った際は、暴行罪が適用されるものと考えられます。

 

実際の有形力の行使の他、光や熱のようなエネルギーや耐えがたいほどの臭気による作用も、その使われ方によって不当な有形力の行使と認定されれば暴行罪として認定されるものと思われます。

 

エネルギー作用を用いた暴行罪として思い浮かべられるものとしては、正当な理由なく強烈な光を見せ続けたり、例えばサウナに閉じ込めたり、または冷蔵庫・冷凍庫に閉じ込めたり、悪臭を放つものを側に置いたりするような行為は、状況が軽ければ「暴行罪」、その行為によって心身に不調をきたし実害が発生すれば「傷害罪」、または命の危険があれば「殺人未遂罪」がそれぞれ適用できると考えられます。

 

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意外と暴行罪の適用範囲は広いということを知ろう

上記のことを読んでいただいて分かっていただけたと思いますが、具体的な暴行事実の有無にかかわらず、たとえ身体に直接触れていなくても暴行罪が成立する要素が意外と多いことを知っていただけたものと思います。

 

暴行罪を超簡単に説明すると、正当な理由なく相手に殴られた場合はもちろん、相手に殴られなくても、相手の不当な行為によってあなたが「怖い思い」「びっくりする思い」をした場合は暴行罪が適用できるケースが意外と多いものです。

 

万が一の時、「暴行罪で訴えますよ」は意外と使える

残念なことに、どこの職場や学校などにも一定数存在する嫌がらせやいじめ行為ですが、これらを一発でやめさせる方法が「暴行罪で訴えますよ」と相手に脅しをかけることです。

もちろん、相手に直接殴られてしまった場合は問答無用で暴行罪で訴えてしまえばいいです。

ですが、実際に殴られていなくても、例えば自分の近くに勢いよく物を投げつけられたとか自分の脇で大きな音を立てられたなどと言う場合は、その時の状況によっては相手が自分に対して嫌がらせ行為をしていると認められることもあると思います。

 

そんな時は相手に向かって一言、「いい加減にしてください。あなたがやっていることは暴行罪ですよ。これ以上続けた場合、暴行罪で警察に訴えますよ」と威嚇することでほぼ確実に嫌がらせは止まります。

 

万が一止まらなかった場合は本当に警察に暴行罪で被害届を出し、後の捜査を警察に委ねましょう。

 

暴行罪と言うのは、刑法の中では軽い方の犯罪に含まれます。さほど重くない犯罪であるからこそ、暴行罪に該当するケースと言うのは多いのです。

 

刑法の知識、とりわけ当記事の場合は暴行罪の知識ですが、この知識は自分を守る盾であり、攻撃してくる相手に反撃するための強力な武器です。よく覚えておきましょう。

 

おわりに

意外と多くの事項が暴行罪に該当してくるということを十分よく知っていただけたと思います。

 

実際に相手の体に触れなければ問題ないと考え、物を間接的に投げつけてきたり、驚かすように音を立ててきたりするケースは意外と身近にあるのではないでしょうか。

 

もしあなたが、今現在そんな状況に置かれていて、我慢できなくなっているのだとしたら、加害者を暴行罪で訴えるということも検討しましょう。

 

日本は憲法を筆頭に、憲法から派生した各種法令で統治された法治国家です。何人も、法律に定められたことから逃れられることはできません。

 

そしてもちろん、自分自身も他人に対して暴行罪に該当するような違法行為を行ってはいけません。

 

大事なことなので繰り返し申し上げますが、法律の知識は宝です。自分を守る盾であり、自分を守るため相手に攻撃するための武器でもあります。 どうかそのことをお忘れなきよう。

 

以上でーす!

 

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